野ブタ。をプロデュース DVD-BOX
「亀梨くん」にまったくもって感心した。ジャニーズの人は基本的に「光」の世界の住人で、「影」の世界の住人はこの会社、できるだけさける方針だと思っていたのだが、私は彼の登場をもってその考えを改めたのである。いえ「光」と「影」を上手に使いこなす人ならそこそこいたんですけどね。SMAPの演技派とかさ。でもそれは、一見「影」だけど実は「光」で安心、みたいな感じだったと思う。ベースが「影」、というのは私の実感としては「亀梨くん」が初体験なのである。その「影」に惚れた。私は男だから自分で気持ちが悪いが。
「ごくせん」では、うおお、般若!という第一印象で、この能面ぶりは演技なのか緊張なのかよくわからなかったのだが、しかし「相方」(近畿っぽいね)の「赤西くん」が悪ぶってるけど実は、的なもうジャニ的すぎる「光」を放っていたのに対し、すでに何か独特の陰影をただよわせていたように記憶している。
そして、この「野ブタ」である。一見「光」だけど実は、の設定、すごいハマリ役だったのではないか。へらへらペラペラなスタイルとセリフの裏側にある無表情と沈黙のブラックホールがもう、いいのなんのとすごく興奮しました。チャリこいだり部屋でひとりでもんもんとしながらの「哲学」、彼が「内面」で語ると重みがある。バイバイシクルとかいう「お調子」のときの目が笑っていなかった。あれは不自然だった。その不自然さにドキドキしていた。この人工的な感じがいつか壊れてしまうではないかとドキドキしていた。その独自の不自然さを可能にしているのは、彼の言動に常にそこはかとなくつきまとう「影」ではないか。
さめているようでいて実は人間大好き、というのも、わいわいやっている人間たちをいつも「影」でじっとながめている、どこか世界の裏側の人間の性格である。そういう役を120%ちゃんとこなした。彼は「影」の世界の住人だ。
炎上する君
「あのね、本当に本当に参ってしまって、それで思ったの。舟の街に行こうって。」
(『舟の街』より)
誰にも、そんな夜がある。
もう、すべての選択に疲れて、例えば、大事な(と思えた)用件で電話をかけようと受話器を・・・
「もしもし〜ですが、・・・の件でお電話したのです。」
切り出す前に、受話器を取るか取らないか、わたしたちは常に『選択』を迫られている。
ふと電話の前で、携帯を下に向けたままで途方に暮れる自分に気づく。
「本当に、本当に参ってしまっ」たわたしたちには、友達すらも無力だったりする。
ひとりの友達を、そう、この気分と言うか状況にぴったりくる誰かを選ぶ気力さえ失せているのだ、ぷっつりと。
そんな夜更けに、そんな朝に西加奈子の短編『舟の街』を訪れた。
「自分が、自分という輪郭をすり抜けて、空気に溶けていくような気がした。それはとても、自由なことだった。」
〜「どうです?エクレアでもすごく見つめませんか?」
「あ〜あ、小さな穴がすごくあればいいのに!」〜
『舟の街』にいらっしゃい。
b-side you~B-SIDE COLLECTION~
歌手活動5年目にしてシングルCD13枚
途中からファンになった人がアルバムを集めても
カップリング曲はアルバムに収録されていないものばかり
しかし、今から手に入れるには難しいシングルもある
ということで作ったのがこのCD
「切ない笑顔」から「赤い華」の13枚に
カップリングとして収録された曲ばかりを集めた1枚
時期によって、声があまりに変わっているので
曲とは別に楽しめます
P.S. 評価の点が高くないのは、私がすべてシングルを持っていたからです
きりこについて (角川文庫)
私はここのところ、「世の中って、結局男のためにあるんじゃない?そんなのってバカらしいしやるせない。」と思っていました。
そうしたら、この本が、心の凸凹に、ピタッと、優しくはまり、癒し、励ましてくれました。
この本は、日本にはびこる、メディアが国民に植え付けた価値観に違和感を感じて悩む人達を、安心させ、勇気づけてくれる素敵な本だと思います。
「本当に大切なこと」ってさ…やっぱ、こうじゃなきゃね!
この本のサブテーマは、「人間の醜い心」なんじゃないかと思います。
私も、度々ハッとさせられました。
定期的に読み返したいです。
また、幼少期、そして思春期の子供達の心理を非常にリアルに書いていると思いました。
物心がついたばかりの子供達の、ポーッとした感じとか、大人から見たらおかしな、彼ら特有の秩序ってありますよね。
「こういうの、わかるなぁ〜。」って思いながら読みました。
それから、日本の中学・高校を支配するスクールカースト。
非常にリアルに書かれていて、私の中学・高校時代の周囲の状況とぴったり当てはまり、驚きました。
評価を★4つにしたのは、ところどころ「ええ話」にし過ぎかな、と感じたり、「少し未熟な部分があるな」と思ったためですが、それを補って余りあるほど、素晴らしい部分がたくさんありますので、興味を持たれた方は、ぜひ読んでみて下さい。