ケルベロスの肖像
田口と白鳥のコンビによる本シリーズは一応完結。
シリーズを通して楽しめました。
ただし「バチスタ」で見られたような謎解きは
残念ながらありません。
期待して読むと当てが外れます。
桜宮を舞台にした物語自体はまだ続きそうです。
先のコンビが登場するかは分りませんがどこかで
姿を見せる時を楽しみにしたいと思います。
外科医 須磨久善 (講談社文庫)
須磨先生がバチスタ手術に取り組む下り。
それまでと変わらず文章は淡々とつむがれているのに、熱いものがこみあげてきました。
須磨先生を叱咤する病院長の言葉
『須磨先生、ここでやめたら絶対ダメだよ』で思わず落涙。
本を読んではじめて泣きました。
本書は筆者の海堂尊氏が前述しているように、須磨先生の語った経歴をそのままテキストに起こしたものらしいのですが・・・
まるで偉人の伝記を読んでいるように感じました。
少年時代のエピソードなどが多くまざるでもないのに、そのくらい人生の選択・努力・成果に無駄がないことにただただ唖然とします。
まぁ天分に恵まれたヒトはおのずと成功する運命なんだよ・・・
とひねた考えに逃げ込みそうになるところを、須磨先生のただひたすら『患者のため』を追い求める姿勢に首根っこをつかまれ、お前は何を目指しどんな努力をしているのか。と問われ両の頬を思い切り張られたような気分になりました。
これは須磨久善という外科医の光の部分を著したモノなのだそうです。
筆者の作品の中に『光が強ければ強いほど闇もまた深い』といった台詞がでてきます。
あいにく、筆者にも須磨先生に闇の部分があるのかどうかすらワカラナイ・・・とのことですが、
これだけすごいヒトの闇・・・考えるに空恐ろしくなりました。
しばらくは筆者と同じく、須磨先生が語りだすことを、光に酔い闇に怯えつ待ってみようと思います。
チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)
デビュー作であり大ヒット作。
医療現場の描写がリアル、登場人物のキャラクター設定がメリハリがあって読みやすい。
バチスタ手術の天才チームに原因不明の連続する手術失敗。
医療ミスなのか殺人事件なのか。殺人だとすれば誰が……。
上下巻ともに250ページほどなので、上巻だけなら1日で一気に読めます。
そして一気に下巻も手にするでしょう。
とにかく読みやすく面白かったです。
アリアドネの弾丸
これまでのシリーズのなかで一番推理小説としての性質が強い作品。
一方で、これまでと同様に「死亡時画像診断」が一つのキーワードになります。
テンポがよく、登場人物が多いことに少し戸惑いつつも、一気読みしました。
Horizon
しかし、人柄といい、容姿といい、CDアルバム1枚で消えてしまうには、惜しいお嬢さんでした。今は、実家の手伝いをしているそうです。一つ違いのお兄さんと、声が全く違い、魅力的な声質。TVからは消えたけれども、いつまでも、僕らの記憶の中に残っていてくれる、そういった意味で、忘れられないアーティストです。TVで言っておられましたが、「私はBOY FRIENDと付き合うと長いんですけれど、兄はすぐ彼女、かえちゃうんですよ」との事。さすが、早稲田に住む生粋の都会っ子、愛ちゃんの発言です。