The Ig Nobel Prizes
日本でも最近話題になりました。
バウリンガルが確か受賞していたと思います。(ちなみにたまごっちも受賞!)
他の方も書いていましたが、ノーベル賞と紙一重ですよね。
昭和の中頃ですと21世紀になると動物の話ができるようになるなんて、未来予想では良く見受けられました、その一歩と考えるとある意味ノーベル賞でも良い!と思いますけど。
兎に角、誰が考えてもくだらない研究から良い意味で紙一重の話しまで満載。
私はシラクの平和賞が一番ブラックで好きでしたけど。
この類の話しが好きな方は是非ダーウィン賞も読んでみて下さいね。
錯覚の科学
本書は、世の中で起きている様々な問題の原因の一つとして、ヒトが生来持っている「錯覚」に焦点をあて、
どんな「錯覚」がどんな問題を引き起こすかを解説しています。
本書で取り扱っている錯覚は以下のとおりです(章立てとおり)。
・注意の錯覚:見えているのに見ていない。注視しているもの以外は、視野に入っていても見えない、脳が認識しない。
・記憶の錯覚:記憶は案外いい加減なものである。他人の記憶でも自身の記憶にしてしまうことがある。
・自信の錯覚:実力のないヒトほど自身の実力を過信する。自信満々なヒトを信じやすい。
・知識の錯覚:自身の持っている知識を過大評価しやすい。専門家も自身の専門分野ですらその傾向がある。
・原因の錯覚:パターンを求めたがる。相関関係を因果関係に飛躍させたがる。時系列の前後関係のある物語を好む。
・可能性の錯覚:自身の潜在能力を簡単に向上できると思いやすい。その手の商品につられやすい。
そのうえで、これらに共通することとして以下を挙げています。
・自身の能力や可能性を過大評価させる。
・自身が簡単にできることを、上手くできることと混同しやすい。
そして、これらの錯覚の影響を減らしてくれ「そうな」方法として以下を挙げています。
・日常的な錯覚の働きについて知る。
・自身の認知能力をトレーニングで鍛える(但し、あまり期待できないとのこと)。
・テクノロジーを使って補う。
紹介されている錯覚の骨子については他の書籍を通じて概ね知っていましたが、
本書で紹介されている豊富なエピソードや実験結果によって、より鮮明に認識させてくれました。
中には、たったこれだけの情報でそう言い切っていいの?というものや、
心理学で結論がでていないものを但し書きなしで触れているものもをありましたが、
本書の骨格に影響を及ぼすほどのものではありませんでしたので、このことで★を減らすことはしていません。
(ただ、このことに直接関係している方にとっては重要なことだと思いますので、実験を継続する必要はあるでしょう)
また、エピソードや実験結果の量の多さを、豊富と捉えるか冗長と捉えるかは、意見が分かれると思います。
なお、本書は自身の錯覚に気をつけようというトーンですが、錯覚が悪いことだけかというと、そうでもないようです。
ポジティブ心理学では、これらの錯覚があることで幸福感が得られるといわれています。
(現実を直視するとつらくて耐えられないそうです)
これについては、マーティン・セリグマン世界でひとつだけの幸せ―ポジティブ心理学が教えてくれる満ち足りた人生
が参考になると思います。
日本にノーベル賞が来る理由 (朝日新書)
普段、ノーベル賞といえばとにかくすごい賞!という認識しかなかった私に、おもしろい話を聞かせてもらった…と思いました。ノーベル賞の存在の意味、選考についてもおもしろい考察がされています。
また、原爆投下についても、先人の浅はかなな知識人たちの実験台に日本人はされたと思い知らされました。