ムトゥ 踊るマハラジャ
公開当時、日本においてもミニシアターを中心に少なからぬ衝撃をもたらしたマサラ・ムービーの傑作・ムトゥ踊るマハラジャのサントラであるが、映画を偲ぶだけでなく純粋にその音楽性に注目しても実に興味深く素晴らしい作品だと思う。
映画全編にほとばしっていた「面白ければ何でもアリ」という逞しい精神は、その映画音楽にもやはりみなぎっているのだ。
ベースはあくまでもインドのトラッドではあるものの、様々な音楽性を貪欲に取り入れたであろう雑食性も所々で窺うことができ、映画最大の魅力であった「既成概念にとらわれない自由で奔放なパワー」は映画音楽にも確実に宿っているのがわかるのである。
だからこそ本作の音楽からは決してインド音楽の目新しさだけでない新たなる斬新さをも感じるのかもしれない。
個人的にはコンポーザーであるA.R.ラフマーンにおける世界へ羽ばたくターニングポイントとなったのは本作であると捉えているが、やはりその自由な精神と雑食性に満ちたインド映画での蓄積がその後のメジャー作品での活躍ぶりを地盤として支えているのはまず間違いないだろう。
とはいえ、劇場で本作を音楽とともに堪能した当時はただただその斬新な素晴らしさに胸を昂らせるばかりで、現在の活躍など夢にも想像することはなかったのだが・・・。
今サントラで唯一微妙に残念なのは、オープニングタイトルで使われたアップテンポの軽快なインストゥルメンタル・ナンバーが収録されていないことであろうか。
しかしながら、この曲はインド本国版でも収録されていないようなので潔く諦めるしかないのだろう。
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とにかく、ストーリーは、はちゃめちゃです。
濃厚なキスシーンなのか?と思ったら、いきなり矢が飛んできて、変な格好をした子供が現れて、みんなで踊り始めたりします。なんでそこでダンスなの?という不可解さを存分に楽しませてくれます。そういうところは、マサラ・ムービーというのはそういうものだと思ってあきらめましょう。
ダンスシーンについては、他の方がマイケル・ジャクソンのプロモーションビデオのようだとおっしゃっていますが、それはそのはずで、実際にマイケルはマサラ・ムービーを "Black or White" のビデオ制作の参考にしています。大人数での独特の振り付けは、一見の価値があります。
私はオープニングの「ご主人様は只一人」の音楽と踊りにはまってしまいました。
♪うるばんうるばんうるーだーりぃ うらきぃまっちゃばとりだーに
もう痛快です。ちゃんとダンスシーンが始まるところにインデックスが張られているので、繰り返し観るのに便利です。
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日本でのインド映画人気の火つけ役になった映画です。
インドの映画は内容が盛りだくさんです。
アクションありラブロマンスありカーチェイス(馬車?)あり人間ドラマあり……
そして 歌とダンスがあるッ!!
オープニングからそれが全開で楽しめます。
本作をみて思うのは 映画というものは楽しめればいい! という精神です。
アクションシーンでは 殴られた人が飛ぶ飛ぶ! ダンスシーンも色彩鮮やかで動きも激しく圧巻です。
また ヤギがアップになったり 人が分身したり つっこみどころも盛りだくさんです。
ただ この映画で何が一番私に元気をくれるかというと それは登場人物達の笑顔です。
忙しい日本では失ってしまったような はじける笑顔を観ると同時に 自分自身もそんな笑顔になれます。
そんな素敵な映画です。 お薦めです!
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私の最高に好きな映画です。DVDを買う前にも何度も見たけど、買ってからは、細かいところをチェックして、またまた笑い、いったい何回見てるか数えられない程。
見てない人はこれを見て、幸せになりましょう!
見てる人は、DVDを買いましょう!!