縄文の思考 (ちくま新書)
「縄文人との対話」を続けてきた縄文学の第一人者による総合的な一冊。彼らの思想哲学に正面から切り込んだもので、我々の縄文時代へ認識を改めさせられる。
遊動的な生活から定住生活をもたらした縄文土器の作成に始まる「縄文革命」を世界史的文脈に位置付ける。そこから、自然との対峙が始まり、抽象的な思考や祭礼が始まったと主張する。
我々には考古学というのは無機質なものと見えがちだが、真にその道を進んできた筆者は、その豊かな精神世界を生き生きと鮮やかに我々の前によみがえらせてくれる。一万年以上続いた縄文文化は、行き詰りをみせる現代文明への教訓を与えてくれる。
ホツマ縄文日本のたから
漢字の渡来以前の日本が、これほど高度な文明を築いていたのか! 正直、驚きました。 また、CDに入っている歌曲の美しいこと。何回聞いてもぞくぞくっとします。 原文朗読というのもいいですね。できれば、ヲシテ文献の全部の朗読がほしいです。全部で何時間ぐらいになるのでしょうか?
縄文聖地巡礼
「第二章 若狭・敦賀」が素晴らしい。中沢さんが《東や北のゴテッとした土器とちがって薄手で洒落てる。ぼくらが使っている陶磁器なんかよりずっとデザインとして優れているし》という感じそのままの、まるでモダンアートの作家がつくったような美しい土器(p.60)。中沢さんの叔父さんである網野善彦さんによって広められた「逆さ地図」でみると、日本海は内海だということがよくわかるし、1万年ならなおさら、大きな湖のようなものだったろうと思います。そして、日本海側は南朝鮮と同じ文化圏を形成していて、逆に朝鮮半島が北方の方から変わっていった、という流れを感じさせてくれます(p.62)。
《いまの芸能界を見ると、日韓がひとつの世界になりつつありますが、芸能界で起こることは、経済や政治の世界で起こることの先鞭をつけていますから、おそらくこれからの未来的な経済圏として、朝鮮半島の南部と日本は一体となっていくのではないでしょうか》(p.56)という大胆な見通しにもハッとさせられた「第二章 敦賀・若狭」は一番印象に残りました。
「第一章 諏訪」では《たとえば詩みたいなものは、似ているものの意味同士を重ねて、意味を価値増幅してるわけでしょう。ホモ・サピエンスは価値の発見をしてるんですね。ネアンデルタール人は意味を発見していたけど、ぼくらの先祖は価値を発見した》(p.42)というあたりや、日本列島は四つのプレートがぶつかって持ち上げられて出来たのだから、《そのエネルギーの見えるものとしての山があるから、山岳信仰は当然出てくるだろうっていうのは感じる》(p.52)という指摘にはうなりました。
紀元1年が、こんなんだったら!? コレクターズ・エディション [DVD]
ジャック・ブラックだから、それなりだけど、
いまいち感の残る旧約聖書コメディーだった。
何かドタバタやってるんだけどハマれなくて〜。
ところどころクスッと笑えるんですけどね・・。
カインやアベルなど登場人物にそそられないし、
行き当たりばったり感の残るストーリー展開。
過度な期待をせず、DVDでダラダラ見るのに
ぴったりな感じ? 出演者のファン向きかも?
こんな文句を書きながらダラダラ2回見ました。
オー役のマイケル・セラが何気に可愛くて良かった。
縄文の生活誌 日本の歴史01 (講談社学術文庫)
日本人の心、現代の私達を形作っている大本は、いったい何だろう?いつ頃できて、その前はどこから来たの?日本の特殊性がクローズアップされる度に、疑問が膨らんできていました。
古代日本についてのイメージは、30数年前、学校で習った時のものでした。本書で紹介される内容とは、随分と違っていました。当時に習った古代は、現代と断絶したものであり、釈然としませんでした。今、田舎育ちの自分の体験や心の内面と比較しながら読み進めると、本書で紹介される物語にはかなり納得できます。
日本文化を支える日本語の起源問題も、旧来の考古学による先入観に縛られていたのかもしれません。縄文文化のレベルを低く見過ぎていた為に、弥生時代の始まりとともに日本語が成立したと思い込んでしまった。(参考:大野晋著「日本語の源流を求めて」)
それよりはるか昔、日本列島の言語は、方言を抱えたまま、充分に発達していたと推察できました。縄文文化は、最盛期、三内丸山遺跡のような広域の文化ネットワークが栄え、生産技術や統治技術の芽が出ていました。旧石器時代から縄文時代を通して、日本列島内の地域交流は、陸路・海路を使って盛んに行われ、海を隔てた大陸との交流も続いていた証拠が紹介されています。
縄文時代からの定住により、方言など地域文化の特殊性が発達する一方、気候変動による生態系の北上や南下に伴い、日本列島内で大規模な民族移動が起こり、文化や言語の混合もあったと推察されています。
1万年以上続いた縄文文化が、その後の3千年間、日本文化の土台になり、現代に至っているのが、納得できました。ただし、狩猟に比べて、漁撈の取上げ方が足りません。日本文化の基礎にある南方の要素に繋がるはずであり、ちょっと残念です。