“本物”を見極める ~3億円のヴァイオリンはいかに鑑定されるのか?~
こういったいわゆる特殊な職業の方が、どのような「生き方」をしているのかと興味を
持たれる方にはよろしいのではないでしょうか?
しかし私は、この特殊な職業に対しての、「系統だてた分析」のようなものを期待していたので、当てがはずれました。
“本物”を見極める−3億円のヴァイオリンはいかに鑑定されるのか?というタイトルに勘違いしたわけですが、
これは、営業にたけた編集者がつけたのでしょうから、もちろん著者の方には、責任はありません。
すらすらと読みとおしました。昼休みの読書に最適。おもしろかったです。
伝説のイタリアン、ガルガのクチーナ・エスプレッサ 10分でできる伊式速攻料理
イタリアまで行って実際に本場の各地の料理を食べたことのある人ほど満足できる内容になっています。
「クチーナ・エスプレッサ」=速攻料理の名の通り、所要時間は10分前後というレシピ達。日本で紹介するにあたっても、材料に妥協せず、本場そのままのレシピです。しかし、手間のかかるイメージの強いイタリアンを家庭でも再現できる手軽さが魅力。本場をもう一度食べたい!この食材ならこれで代用できる!という知識を持つイタリアン好きにおすすめです。
また、レシピだけではなく、読み物としても秀逸。レシピ部分も、今流行の料理写真が一頁にドーンと異様なアップで載っているものはほとんどなく、全体像が分かる写真ばかりで好感が持てました。案外、料理を作る時に重要な部分だと個人的に思います。さらに、レシピごとに豆知識や料理のコツ、おすすめワインなど数行書かれているので大変役に立ちます。材料もグラムで表記されているので料理下手の私でも作り易かったです。
本の構成は、まず、ガルガの歴史と店主、そしてシェフの話のプロローグから始まります。
次に、ガルガで実際に出される料理のレシピ、
1.パスタやリゾット(プリモピアット)、
2.肉と魚(セコンドピアット)、
3.前菜と付け合わせ(アンティパストやコントルノ)、
4.最後にドルチェ(デザート)
これらが紹介されます。肉は牛、子牛や鶏がメインです。
そして、店で仕入れをしている業者や道具の紹介。
さらに、シェフであるエリオの休日のレシピを上記と同じく紹介。休日ということで、店とは違い時間をかけていい、豚肉など食材に縛りのない自由なレシピが多いです。
最後にシェフ・エリオの地元、サルディーニャの紹介といくつかのマンマのレシピ。
実際に掲載されている「ズッキーニのパスタ」を作ってみましたが、優しくてイタリアンな味が簡単に出来て美味しかったです。パルミジャーノレッジャーノを存分に味わえました。ただ、和食大好きがっつり男飯大好きな夫はあまりピンと来てなかった様子・・・。でも、がっつり系のレシピもたくさん載っていますので、今度はそれに挑戦してみます。
読んだ後、素晴らしい読了感に浸ることができました。レシピ本ではなかなかありません。これも池田夫妻の力でしょう。より本場の味を求める人こそ買ってみてほしい一冊です。
敢えて言うなら、日本では手に入りにくい干し塩たら=バッカラが使いたくなるレシピがあります。取り寄せちゃおうかな〜。