竹光侍 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
これは凄い!物語の筋といい、妙に枯れた感じの画風といい、大人向けの逸品。松本大洋さんは画がちょっと苦手で今まで読んだことがありませんでしたが、早くも次を読みたい作品です。これが好きな女性には、亡き杉浦日向子さんの「風流江戸雀」もオススメです。
装甲のジェーンドゥ! (ガガガ文庫)
著者の永福一成氏の前作が第15回手塚治虫漫画賞大賞を『JIN〜仁〜』と共に受賞したと聞いてそんな人物が描くライトノベル!?一体どんな作品なんだ?と興味本位、また表紙の絵も好みでしたので購入しました。
やはり流石とは言わざるを得ない感じでした。
まずは話しのテンポが良い。基本的に一話一話完結という形式でしたのでとても読み易かったです。
それぞれの話の間に入る伏線もまた絶妙で、1巻通して読むと全ての伏線が繋がるといった感じで1つの本として纏まっていて好印象を受けました。
難を言えば少し古臭い、ということですがそれをもカバーできるキャラクターの魅力であまり気になりませんでした。
主人公の同居人への思いも個人的にニマニマしながら読むことができました。
挿絵もとても可愛らしく、キャラクターの魅力に拍車をかけているといった感じでとても良かったです。
☆を5つ付けさせて戴きます。
竹光侍 (小学館文庫)
この作品は、『竹光侍 1 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)』の漫画原作を小説化した『竹光侍』です。
漫画のほうは、一度も読んだことがなかったのですが、評判だけは耳にしていました。
で、これが原作だろうと思って手に取りましたら、漫画がオリジナルだったんですね。
漫画のように、すらすら読める、と言う印象です。
レトリックをあまり使わないで、平易な文体で簡潔な文章を指向されているようです。
文脈の間合いが良いですね。
漫画は小説に比べて省略を駆使しますすが、漫画表現の省略を生かしたことで、独特の雰囲気を作っているようです。
自分の中に棲んでいる「剣鬼」を抑えるために、竹光を差した侍。
剣の奥義を求めるために暮らしてゆく中で、江戸長屋で市井の人たちと心を通い合わせてゆく王道のような時代小説です。
竹光侍 三 (小学館文庫)
ペンを走らせて、コマに生み出されるキャラクターたちからは、
それぞれの表情や、心情が巧みににじみ出ております。
線の太さでそれらを表現する技法には恐れをなします。
話の展開的には月並みかもしれませんが、キャラクターが出す表情や、時折見せる殺気、
時代設定や、それに伴う独特の言い回し、少ない言葉がより多くを語るこの漫画は、
少なくとも他の漫画からは感じられない何かを感じ取ることができます。
少年漫画とかと比べると割高ですが、本のサイズときれいな表紙を考えれば、そんなに高く感じないのでは?
EVIL EATER 1 (サンデーGXコミックス)
書店でプッシュされていたので購入。
テーマが魔法なだけに少々不安ではありましたが、意外にも目新しい設定でした。
今巻は序章ですので世界観の説明やルーティン的な事件を数個扱った程度でしたが、
後半では主人公コンビのそれぞれの過去にも若干触れていて、
これからのストーリー展開への伏線を張る形で終わりました。
全体としては普通っちゃ普通でした。可もなく不可もなくといった感じ。
まだ一巻ですしね。
「犯罪者(主に殺人者)の命と引き換えに被害者を蘇らせる」
「リターナーの心因悪腫を取り除く」
「法術士を自分たちの管理下に置く法術庁」
など、このあたりにテーマ性があるのでしょうか?
どういった議論や問題が生まれるのかあまり想像がつきません。
今のところの話の流れとしては法術庁VS未処理のリターナーになりそうですが・・・
まあまだ一回しか読んでないんですけども。
評価ですが、
南雲がリターナーの記憶に潜り込んで、悪種の核を探す際の描写はとても
細かくてよくできているなーと思いましたが、絵の細かさが裏目に出たのかいかんせん戦闘シーンが残念。
状況がやや理解しづらい。一瞬「ん?」となる感じ。
絵の感じは同誌のmarch storyに似てるのかな?
あとは天牙の安っぽい葛藤がややうっとおしい。
少女なだけあって精神的には安定していません。
さらに職務規定に反しておきながら反省しないというなんとも破天荒なお嬢さんです。
どんな問題を撒き散らしてくれることやら・・
これからに期待!という感じですね。