Dreams of Reason Produce
日本でマニア+ミーハー人気=元祖ヴィジュアル系であります=が混合してた不思議なバンド=ジャパン=の才能あふれるベーシストのソロアルバム。当時デヴィッドシルヴィアンの人気はすさまじかったのである。
これは、真の芸術家であるミックカーンの音楽という名の絵画なのである。彼はピーターマ-フィーとダリズカーをやったり、変態ジャズギタリスト=デヴィッドトーンと共演したりと。最近はかなり活発に活動してる。
ジャパンのサウンドを支えていたのは実はミックカーンの譜面の読めないという音楽に対する柔軟な姿勢からくるものなのだ。
このアルバムを聴けばいかにミックが個性があふれるベースプレーヤーであり、その存在感がいかにジャパンにおいて重要であったかがわかるだろう。
ミメ! ̄は自分がまわりから絶賛されてるのがかなり恐かったらしく、自分に自信がなかったらしく=スタジオミュージシャンじゃないんだから=言われたようにはひけない=、でたらめにひいてるだけだからね、それも自分の感性に忠実にね。彼しか出せないベース音がみんな欲しいらしくセッションに呼ばれるらしい。そんな謙虚なミックのソロなのであ
る。
このアルバムは全体的に抽象画のたたずまいがして、聴いてて最高である。旧友デヴィッドも2曲で参加なのだが、これはおまけだ。
ただひたすら海に浮いていている=そういうような感じの曲があり、聴いてて新鮮な感動を覚える。
だれにも作れない独特のベースサウンドとサウンドパノラマがここにある。見事な緊張感とサウンドマジックに君は戦慄さえ感じるで!!ろう。
宗教的な荘厳ささえも備えたこのアルバムはまさに名盤である。
Concrete Twin
●●●訃報●●●
残念ながら・・・2011年1月4日、ロンドンの自宅で亡くなったことがオフィシャル・サイトで発表されました。家族や友人たちに囲まれ息を引き取ったそうです。
享年52歳。若すぎます。
ありがとう。ミック。本当にありがとう。
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元ジャパン、ベーシスト、ミック・カーン4年ぶりのアルバム。
内容的にはフレットレス・ベースに管楽器が絡み、そこにボーカルも・・・と言った雰囲気です。特にゲスト・ミュージシャンの参加も無く、基本的には彼一人の多重録音です。(クレジットにはドラムでPete Lockett??誰??)
元同僚、スティーヴ・ジャンセンやリチャード・バルビエリの参加も無く、少し寂しい気もします。
自主レーベル製作でアルバム自体、昨年の後半には完成していたにも関わらず、配給してくれるレコード会社が見つからなかったのか、当初はダウン・ロード販売のみで、今年に入ってからCDが発売となりました。残念ながら今のシーンにおいてミックの商品価値は低く、ビジネス面ではかなり苦戦しているのも事実です。
追い討ちをかけるように、今年6月オフィシャル・サイトにてショッキングなニュースが発表されました。ミックが癌に侵されていて、進行した状態の肺ガン(ステージ3)、一説には脳にまで転移しているとも。
近年は生まれ故郷のキプロスに戻っていたようですが、癌が発見された後、キプロスでは適切な処置を受けられる施設が無く、それと同時に医療機関にかかるお金も無かったようです。
オフィシャル・サイトにて治療の為の募金が呼びかけられたり(現在も受付けています)、旧友ミッジ・ユーロが治療費捻出の為のチャリティー・ライブが計画されています。
もちろん!ジャパン時代の親友達も、いち早くアクションを起こしてくれました。
スティーヴは自身のサイトで販売している写真作品の売上をミックの治療に寄付。デヴィッドも自身のサイトにて、ミックに捧げる曲を製作しサイトで公開。リチャードは現在所属している”Porcupine Tree ”のライブ盤の売上をミックに寄付。
今現在は募金や旧友たちの援助により、イギリスの施設に転院し病状は落ち着いてる模様(実際のところ、これ以上細かい情報は発表されていませんが・・・)
9月後半からは、ピーター・マーフィーと共に”ダリズ・カー”のセカンド・アルバムの製作が始まる事も双方のサイトで告知されています。楽しみな反面ミックの体調も心配です。
ミックの事、昔ジャパンが好きだった皆さん。ミック自身、それと彼の家族の為にも、このアルバムを聞いてあげてください。
収録曲〜
1. Ashamed To Be Part Of Them
2. Presence
3. T.V.Woo
4. Confabulation
5. Yes I've Been To France
6. Tender Poison
7. Vote For Lies
8. J.B. Meknee
9. Antisocial Again
ポリタウン
ミック・カーンのソロ作品については概ね聴いてきたつもりですが、アンサンブルの中にジャパンやレイン・トゥリー・クロウのようにベースに拮抗する強烈な個性がないだけに、カーンのベース・リフばかりが目立つ結果になってしまい、作品としての完成度はどうか?というものもあるようです。そんな中で本作は、即興演奏中心でポップさのかけらもないものの、当方は比較的聴き込んできた愛着のある作品です。少し毛色の変わったジャズロックやプログレッシブロックとして楽しむことも可能です。
共演しているテリー・ボジオも、フランク・ザッパやUK時代のような高速爆裂ドラミングはなりをひそめ、パーカッションや小型のタムタムを多用した、現在のソロパフォーマンスに通じる繊細さと激しさをあわせもった演奏に移行しており、じっくり聴くと結構複雑なことをしているのがわかります。ギターのデイヴィッド・トーン(トニー・レヴィン、ビル・ブルフォードと共演歴あり)は、例によって、とらえどころのない無国籍空間系の音を放出しています(笑)。類似作品をあげるのが難しいのですが、キング・クリムゾンの即興演奏をもう少しエスニック風にアレンジしたような感じ、と言えばいいでしょうか。
なお、少し手に入りにくいかもしれませんが、本作と同じ独CMPから出ていたAndy Rinehart「Jason's Chord」(1993)は、若々しい歌声やピアノ、アコーディオン(!)のアンサンブルにカーンのベースが有機的に絡みながら躍動する一風変わったロック作品となっており、イキのいいカーンのベースを堪能したい人にはお薦めします。
愛がなくちゃね。
あらためて聴くと、坂本龍一のテイストがものすごく濃厚なんじゃないでしょうか。
矢野顕子のファンよりも坂本龍一のファンが聴いたほうが楽しいのではないかと。
坂本龍一のソロ・アルバムとはまた違ったテイストなんだけど、
この時期の坂本龍一が他のアーティストやアイドルを手がける時に使った手法が、
アルバム1枚分、ここぞとばかりに詰め込まれている。
そういう意識でもって聴くと、矢野顕子のボーカルが全体的に案外と大人しめな印象に。
ミック・カーン自伝
Japan、とくに、Virgin移籍以降の「黒曜石のような」Japan。この、今にもポキっと折れそうな(実際折れましたが、、、)彼らの存在を見守っていた向きには、今年始めに報じられたMick Karnの死は衝撃だったはず。かくいう私もその1人です。
この本には ──
「”孤独な影” や ”錻力の太鼓” のシルヴィアンがなぜ ”あの” ヘアスタイルなのか(そして後者はなぜ”あの”メガネなのか)?」
── といった疑問への彼なりの答えが載っているのですが、驚くと同時に、あまりにも分かりやすすぎて、思わず笑ってしまったほどです。
もちろん、他にもこの「自伝」には、ゴシップ(あるクラブでBoy Georgeが働いていたときのワイルドな言動など)、音楽業界の微妙な実態(「世界で一番美しい男=シルヴィアン」伝説の生まれた背景など)、Japan時代のアルバムやKarnのソロアルバムにまつわるエピソード(KarnそしてSylvianの影響された人々・作品・文化がどのように作品に反映しているか。例えば、上の疑問)、そしてJapanの成立・隆盛・瓦解のプロセスなど、実にリアルに書かれています。
ですが、何よりも「不器用な自己」を抱え、苦悩しながらも「表現することに」誠実であろうとする彼の魂が刻みつけられており、心打たれます。
読み進めていくにつれ、その魂は、市場に流通する作品たちはもとより、少なくない女性たち、ジャパンのメンバー、デヴィッド・トーンほか音楽仲間、また、長年連れ添った猫のカシミールに向けても一貫していることが分かります。
その意味ではこの本も例外ではありません。人間の機微を描く精緻な文章構成力もさることながら、Mick Karn独特のユーモアのセンスによって、500ページ超の大部のテキストの敷居も下がり、本来は生々しい話にたいしても、読み手としてそれなりに救われながら彼の人生を追体験できます(翻訳された方の力量も確実に影響しているでしょう)。
「折れてしまった黒曜石」を構成していた誠実な魂に再び触れることのできる一冊ではないでしょうか。