黒鷺死体宅配便 (1) (角川コミックス・エース)
大学で知り合った5人。5人は、それぞれ「特殊技能」を持っている。死体の声が聴くことができるイタコ、ハッキング、死体の修復技能、死体の捜索、宇宙人と交信。彼らは死体を見つけて、死者の望みを聞くという商売「黒鷺死体宅配便」を始めるのだが?
ということで、最初は、死体の描写は(慣れるまで)びっくりするほど、グロテスクに見えるし(まあそれでもちょっとリアルにしただけかも)、ストーリーも眉をひそめたくなるような展開があって、この巻でやめちゃおうかな?と思ったのだが、読み進むうちに、面白くはなるし、話は深くなるし、それぞれの登場人物の個性や魅力も際立ってきて、やめられなくなりました。5人は、それぞれ凄惨な過去をかかえているみたいだが、彼らの善意がとても気持ちよい。
グロテスクと思った人も、この1巻だけで判断しないで、ちょっと先の巻まで読んでみてほしいな、と思います。
黒鷺死体宅配便スピンオフ 松岡國男妖怪退治(1) (角川コミックス・エース 91-19)
黒鷺のスピンオフと書いてありますが、時代はかなり過去だし、登場人物でかぶっているのは「やいち」くらいです。
それも、黒鷺ではやいちは霊的なものとして書かれていますが、この本では普通の少年です。生きた人間です。
主役も若き日の柳田先生だし・・・。
黒鷺を期待しているのでしたら、裏切られたと思うかも・・・。
とはいえ、これはこれでとても面白いです。
また別物といってもまだ1巻ですから、今後どうなっていくかはわかりません。
まぁ黒鷺とは別物ですが、面白いのでおすすめします。
みくもとかさね 1 (ヤングキングコミックス)
妖怪を題材にしたマンガは数あれど、それと深い関わりのある…というか、
切っても切れない関係にある「民俗学」の視点を徹底して持ち込んだ作品というのは、
実はあまり多くはないのではないでしょうか。
妖怪を単なる異界のモンスターとしてではなく、風土、または社会に溶け込んだ
存在として描いているところが本作の最大のウリであり、評価点だと思います。
その方面に興味のある方は、ニヤリとする事請け合い。
ただ、いち「マンガ」として読んでみると、どうにもパンチが弱い。
あやかしに詳しい変人と、特殊な家系に生まれたが故か、闇の世界の住人が「見えて」
しまうが性格はフツーの少年。
メリハリの利いたコンビを主役に据えながらも、いまいち盛り上がりに欠けるというか、
すごい状況なのに緊迫感や躍動感を感じられず、話に引き込まれる感じがありません。
単行本の帯にも「アクション伝奇ホラー」と銘打たれているのにこれでは、
いただけませんね。
総じて、作者の力量が題材に追いついてない、というのが正直な感想です。
描画は細めの線で、確かに綺麗な絵柄なんですよ。
ただ、小説の挿絵とかならともかく、マンガとしては「アク」が弱いかなと。
アシスタントも雇ってないのでしょうか、背景とかもところどころ大雑把ですし。
着眼点の良い作品なのに、非常に惜しいと感じました。
ネット掲示板でオススメしてる方がいたので購入しましたが、イマイチでしたかね。
結局単行本以降は今のところ執筆されてないみたいですが、今後の作者のレベルアップに期待。
黒鷺死体宅配便 (15) (角川コミックス・エース 91-21)
ホームレス老婆、首なしライダー、テロの話等テーマはバラエティに富んではいますが、
良くも悪くもいつも通りの安定した黒鷺たちの活躍です。
カバーが黒くなった11巻くらいからキャラクター掘り下げた話になると勝手に思っていけど、
15巻でもメンバーの過去やこれからの展開はほとんど掘り下げられていないので、
当分はこのお決まりの展開が続きそうです。
なんか煮え切らないというかそんな印象を受けますが、気になるので買ってしまう黒鷺死体宅配便。
黒鷺死体宅配便 (2) (角川コミックス・エース)
1巻目では、読みきり集、という感じではあったが
今回は、いっぺんして佐々木、彼女の過去が明かされる。
それは、入れ違いで荷に運んだ死体から始まる。
その死体は、佐々木の過去に欠かせない人物だったのである。
その死体から始まる佐々木の過去、そして楡セレモニーという無仏を埋葬する社会的地位を意識したサービスの表と裏。
今回は、大塚氏の言う「死体の動く恐怖」がきっちり埋め込まれている。今回ばかりは私も、これは怖いな。と思った。
しかし、やはり人間の影、腹の黒さも今回も十分にじみ出ているので、そこにもはやり注目したい。
個人的には影の薄かった、谷田が頻繁にでてくることが嬉しい一冊であった。