王立新喜劇 コーポからほり303 [DVD]
後藤ひろひとさんが吉本新喜劇の演出をした作品です。
後藤さんは『パコと魔法の絵本』の原作者として有名になった方です。
そもそもは小演劇畑の方で、吉本の方や様々な演劇集団から俳優を招いて「王立劇場」と銘打った芝居を主宰していました。
この「王立劇場」と吉本新喜劇が合体しました。
全3話で幕間に後藤さんのトークが入ります。
第2話に石丸謙ニ郎さん、第3話に石野真子さんがゲスト出演しています。
吉本新喜劇を小演劇コメディの演出でやってみよう、という感じですが、こういう新喜劇も面白いです。
みんなでコケたりはしません。多少すべるセリフもあったりするのですが、よしもとの方々の個性が圧倒的に強くて言い方は悪いのですが何をやっても面白い人たちです。
新喜劇の方は内場さん、未知やすえさん、池乃めだかさん、山田花子さん、末成由美さん、安尾信乃助さん。
内場さんは王立劇場にも出演されていますし、ゲストの石丸さんもそうです。
石丸さんが芸達者ですね。この方も演劇出身ですからね。
吉本新喜劇はどんな笑いにも応じられる凄い存在だと思います。劇団として芸達者と言えましょうか。
赤めだか
文章が上手い。言葉数を使わずに、場面をきっちり読み手の目に映しこむ。
師匠談志の活写をちりばめつつ、テンポよく織り成す前座の苦労話、スリリングに盛り上げる昇進の勝負どころ。
最後は、俺は、小さん、談志の二巨星とこれだけ濃くからんだんだぞ、と見栄を切って締める。
脂の乗り切った42歳の立志伝。
ところで、タイトルの「赤めだか」って、どこに出てきたっけ?
あったあった、10歳年上で、入門から半年で精神のバランスを崩して(急速に悪化したかなり危険なうつ状態と思われる)廃業した、初めての弟弟子にまつわるエピソードの中の言葉だった。
文中でもその弟弟子のことは「忘れない」と書いてはいる。しかし、タイトルにもってくるほど、全編を通じて印象的なエピソードとも思えない。
自分が勝ってきた道のりからこぼれ落ちた敗者が気にかかるのか?
弟子は4人取ったが皆去って行った。その話を1ヶ所で記述するだけでなく、別の章でまで、馬鹿息子、親も甘ちゃん、とこき下ろす。こだわってる。
切った自分も血を流していないか?
そして、兄弟子段々改メのらくの廃業と死に一切触れないのはなぜか。
もちろん、二ツ目昇進の場面を最後に年代記を終えて別の部に移り、志らく以外の前座仲間のその後には触れない構成からは不自然ではない。しかし、一言そのことに触れた方が、破天荒なこの先輩のエピソードは収まりが良くなるのではないか。
一言で触れることができなかったのではないか?
当節の成り上がり者は後ろめたさを持たないことになっているが、この著者は当節の人にはなりきれないのかもしれない。
私はあまり素直な読み方はできなかったが、よく書けた、楽しめる本なのは確か。
Live Lab. 二代目 高橋竹山 [DVD]
今年の春、生で演奏を聴いたからわかる(オリエンタルホテル広島)。このひとは、紛れもない天才です。これぞ、ジャパニーズ・ソウルだと思うし、津軽三味線の演奏もスリリングなので、若い人にこそ傾聴してほしい音楽。
このDVDを観て、興味を抱いた方は、生で二代目を鑑賞することをお勧めします。俺は、あまりに「ソウルフル」な音楽に涙しました。