水のようだ
『ガロ』三羽烏の一人、安倍慎一の名作「美代子阿佐ヶ谷気分」の主題歌として、安倍の息子の・・・
って、上に書いて有りました(泣)。
彼らが解散に至った経緯は知らないが、もしかしたら「水のようだ」を産み出した瞬間からその勢いが加速し始めたのではなかろうか?と思わせるくらい突出した芸術性を漂わせている。
今回の解散発表は返す返すも残念だが、
「Sparta Locals」という枠では表現し辛い領域へと昇華していく段階、だと、信じたい。
そして「サーカス小屋の少女」はスパルタらしさ満点。
猥雑で絶品の一曲。
美代子阿佐ヶ谷気分 [DVD]
映画館では観そびれたので、このDVDで初鑑賞させてもらいました。
主演の水橋研二さん、町田マリーさんの全裸も厭わない体当たり演技が素晴らしく、その頃の「同棲生活」を実感出来、撮影に関しても今の時代に70年代の雰囲気が忠実に再現されていて、あの頃の退廃的な雰囲気を十分に味わう事が出来ました。
特典として、原作者の安部慎一さんのインタビューと町田マリーさんのデジタル写真集が有り、解説リーフレットも付いていて、より深く作品の世界に浸る事が出来ました。主演の二人のインタビューやメイキング映像が無かったのだけが残念です。
日の興奮
ガロに連載していた「悲しみの世代」は、何かポルノを描こうとしているのかと思える作品が続きましたが、この作品集は、漫画「エロトピア」向けに描かれた創作集であるとのこと。しかし、「ポルノ劇画家山村真介」は、こういう雑誌に掲載するのが勿体無い位、ストーリーも良く出来ていてインテリジェンスを感じさせ、文学的です。何度読み返しても秀作です。「淫らな娘」もそうです。精神と肉体の二律背反を描いたもので海外文学を想起させます。神父と女子高生という取り合わせも新鮮です。「心」のリアルな生活感、漁師と船宿の主の夫婦の葛藤と愛情を生々しく描いたドラマは「あいびき」、「意趣返し」「獣愛」、「愛奴」はエロトピアらしく刺激的なストーリーにしたようですね。「日の興奮」は確かに絵が読み難いですが、史実とすれば歴史観も変りそうです。
迫真の美を求めて―安部慎一混沌作品集
私の大好きな安部慎一のマンガ。
マンガと言ってもいいのかな?
もうマンガの域を越えて、文学とか芸術とか・・・・
一気に読みました。
もしかしたら読んでいる間は、息をしていなかったかも。
何と表現したらいいかわからないのです。
読まれたことのない方は、ぜひ読んでいただきたいです。
「迫真の美を求めて」っていうタイトルも素敵!
若い方(実は私も若いほうですが・・・)に
ぜひ読んでいただきたいです。
ずっとずっと大切にしたい本になりました。