宮城野 [DVD]
初めて観たのはディレクターズカット版で、その後DVDを観ました。
まるで自分自身が浮世絵の中にいるかのような演出が、至る所に施されていて、気付けばその世界にどっぷりと入り込んでいました。
主人公、宮城野の“女くささ”がとても繊細で生々しくて、観る者のそれをえぐり出します。
そして宮城野が惚れ込む見習い浮世絵師、矢太郎。彼もまた、男性独特のプライドや弱さ、情けなさが見事に表現されています。
本作品の世界観、登場人物、すべてが織り成すその独特な雰囲気に、知らず知らずのうちに引き込まれてしまう、そんな作品です。
ただ、最初にディレクターズカット版を観て、どっぷり入り込んですっかり感動してしまった私としては、
DVD用にカットされて短くなったこちらのバージョンは、物足りない気がしました。
DVDでは、話がサクサクと進んでしまい、せっかくの世界観に入り込んで行く前に話が展開して行ってしまう気がして、残念です。
ディレクターズカット版の方を、また観たいです。
キラキラ
シンプルな言葉で、深いメッセージを伝えてくれる。
悲しい歌ともとれるし、嬉しい歌ともとれる。
最近のaikoの特徴だと思う。
今回の曲も、悲しみを追った人、喜びに満ち溢れた人。
どちらの人も歌の世界に入り込める。
心の奥に秘められた表現しにくい感情を、本当に見事に呼び起こしてくれる。
湧き上がってくる感情を抑えられない。
青空を真上に仰ぎながら、フルボリュームで聞きたい。なんと素敵な歌だろう。
がんばっていきまっしょい
初版の物と大幅にシーンが変わってる箇所があり、
私はこちらの方はあまり好きではありません。
一番気に入っていたシーンが変わってしまったので。
(好きなセリフも変わっていた)
話はすごく好きです。
進学校で勉強ばっかりだった私はこんな高校生活に憧れます。
彼女
初めてaikoを聴き、詞の世界の奥まで潜ってゆき愛しくなる感覚というものに出会った。そこでは心象を細部に宿すように、小さいもの、弱いものの中にある綺麗な意思を描くから、彼女の世界はどこまでも切ない。“あなた”という呼び方をするヒロインは心の優しさを自然に表す一方で、無防備だ。aikoの声もその発声の浅さや、声の小ささが、ヒロインの無垢さや行間の透明さを形作ってゆく。そして彼女の声でなければそのヒロインのピュアな部分は表しきれないような気がする。
「シャッター」。“切りすぎた前髪”(昔Chage&Askaの「好きになる」の詞を思い出す)という描写に表れた素朴な女性が“〜でありますように”と、一人で呟いてゆく世界にaikoの心象の視点をみるようだ。「気付かれないように」は更に真骨頂で、その視線に沿ってリスナーも追想してゆくから哀しさもその言葉ごと自分の中に入ってくる。“今の彼女”と切り出すリアルな空気も秀逸だ。「キラキラ」は些細な日常の出来事が全部“帰ってきたら話すね”に結びつく流れが切なくていとおしい(話すねーと届けとばかり伸ばす箇所も)。
「深海冷蔵庫」は抽象世界のことばの並べ方で喪失感に彼女独特の色づかいをみせた。「17の月」の“丸い爪に射して跳ね返すオレンジの色”や、「スター」の“赤く染まる指先や頬を”は細部に象徴を込める彼女の描写手法だし、「雲は白リンゴは赤」も印象的な二つのもの、二つの色に二人の姿を重ねていた。一方「ひとりよがり」「あられ」のアンニュイなはまり方は個人的にツボだ。
「瞳」は名曲。中島みゆきの「誕生」等と共にこれから一人歩きしてゆく曲になるだろう。瞳というものに生の意味を見つけ、その輝きに向けた願いの曲。aikoらしいのは別れの傷をその中で大きく位置付けているところだった。
がんばっていきまっしょい [DVD]
メイキングが充実してますね。70年代ふうに髪の毛を切るシーンなんか、時代は違うんだなあ、と思いました。
松山の風景は変わらないですが。
合宿の楽しい思い出が、高校2年のばねになってましたね。
本当にみんな、些細なキッカケでボートはじめたんですが、夢中になり、真剣になった、というどこにでもある話です。冷静に考えると、どこにでもあった筈の話なんですよ。しかし映画とすると、松山の街の魅力もあるのか、きれいにまとまってますね。映画ででてくる風景はほとんど残ってます。
ユーミンの歌ではないですが、変わらないでいて欲しい誰を、思い出すような映画でした。
ラストシーンの歌、最高に良かったです。
高校時代って本当に楽しく、輝いた時間のように思えました。思!い出すとちょっと苦しいですが。個人的な意見ですみません。
地味目の、田中麗奈さん、真野きりなさんあたりを見ることができるのもいいのではないでしょうか。相思相愛の恋愛が出てくるんですがねえ。どうなるんでしょうかねえ。まあ進学で別れちゃうんでしょうねえ。