妻を帽子とまちがえた男 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
『レナードの朝(原題:Awaking)』の作者が綴るメディカルエッセイ.
脳神経外科のケーススタディとして,いやそれ以上に
患者の心の奥にまでぐっと踏み込んで症例が描写されています.
どのような症状が出ていようと,それぞれに人間としての尊厳を保ち
患者に接する医者としての態度に感服.
脳はまだわからないことだらけで,だからこそいきものは奇妙で時に滑稽で愛らしい.
ひととものとこころとのうみそがわからなくなった時お薦めの一冊です.
死んで私が体験したこと―主の光に抱かれた至福の四時間
臨死体験というと、「死後の世界をひとりぼっちでさ迷う」というイメージが強かったのですが、この本は、一時的に魂の故郷に戻った著者が懐かしい友人達と再会を果たし、霊界を見学(?)する内容なので読んでいて新鮮でした。 懐かしい友人とは、生前交流のあった、先にこちらの世界に来ていた故人のことではなく、生まれる前にいた霊の世界で繋がりのあった人達のことです。 その人達の案内で、著者は霊界のいろんな所をその目で垣間見ることになるのですが… 他にも私達が常日頃思う、「この世は不平等」「理不尽だらけだ」と思うことなどについて、あの世の目で見た考えなども書かれてあります。 そんな中でも「死」についての問題は、死についての考えがあの世とこの世ではまったく違うので、私達には理解できないかもしれません。 それでも、あの世を直接自分の目で見てきた著者の口から語られる話は、この世で生きる私達に勇気と希望を与えてくれると思います。