ノスタルジア [DVD]
主人公が温泉場でローソクを運ぶ場面が大好きです。初めて、この場面を観たときは、本当に呼吸をするのを忘れたぐらいでした。タルコフスキーの映画の人物は、無神論者も、絶望している人も、何かに「祈り」をしているように思えてなりません。直接、関係ありませんが、ずっと前に大江健三郎の講演のカセットテープを買ったのですが、そのタイトルが「信仰なき祈り」でした。
ソラリスの陽のもとに (ハヤカワ文庫 SF 237)
「未知の知的生命体を理解するとはどういうことか」をテーマとしたSFの古典。
一般のSF作品では地球外生命体が登場する場合、その生命体から
何らかのメッセージを受け取りうることが暗黙の前提となっている。
しかし本書ではその暗黙の前提が成り立たない世界を描くことで、
擬人化(=人間中心主義)の無根拠性をグロテスクに暴き出している。
かつての恋人のレプリカ(=擬人化のメタファ)を通じた男女間の理解の断絶、
更には自己自身の理解不能性が二重写しとなって物語に厚みを与えている。
根源的な理解不能性を前にした時、
ケルビンのように健全な自らの世界に引き返すのか、
スナウトのようにあくまで理解を目指しそこに踏みとどまるのか、
人類がその判断を迫られる日がいつか来るのだろうか。
ソラリス (特別編) [DVD]
このソダーバーグ監督版のソラリスは、同じレムの「ソラリスの陽のもとに」が原作の、タルコスフキー監督の「惑星ソラリス」のリメイク。
まず、このレビュー欄には両者が混在しているので、要注意。
2つの映画を比較すると、ずいぶん雰囲気が違う。本作の方がハードSF色が強く、映像は新しいだけあってクリアだが、タルコフスキー監督版に衝撃を受けて何度も繰り返し見た者にとっては物足りない。
記憶や人間のアイデンティティーという哲学的なテーマが強く押し出され、SFの形をとったはかない恋愛(夫婦愛)の情緒といった感覚面で、タルコフスキー監督版が勝っていると思うからだ。
願うはより良質なタルコフスキー監督版の発売。
オードリー DVD
動画サイトなどでもうイヤというほど漫才は見てるので、
今回特典映像目当てで購入しました。結果、かなり笑えました。
この特典映像、「今面白いとこですよ!今笑うとこですよ!」といった編集は
されてません。(もちろん見るべきところを選んで切ってるでしょうが)
あえて言えば若林さんや黒子に扮したハマカーン浜谷さんと
どきどきキャンプの佐藤さんの笑いがガイドになってるくらいです。
テレビ番組にある笑い声のSE(や、スタッフ笑い)の笑いの押し付けが嫌いな人は
楽しめると思います。
春日さんがメインとなってるこの特典映像ですが、3人の動きがかなり笑えます。
自分で振っときながらスッパリ話題を切り上げて振られた側を置いてけぼりにする若林さん、
何も面白いことをしてないのに笑える佐藤さん、何が求められてるかわかってる浜谷さん。
見てる側がツッコミに回るような特典映像でした。
「30にもなって何してんの?」芸人さんへ向けてだからこその誉め言葉です。