高田みづえの相撲部屋おかみさん
高田みづえさんはホントはかわいいヒトなんだなぁ〜……本書の読後感でした。
85年の大関若嶋津関との結婚、歌手引退、といった経緯は当時のニュースで知られていますが、91年秋から93年春まで毎週日曜日、毎日新聞で“高田みづえは今”ならぬ「高田みづえのおかみさん日記」という、本人自筆連載があるまでは、松ヶ根部屋のおかみさんとしてどうしていたか、知っている人は少なかったと思います。私などは本書が上梓されるまで全く知りませんでした。
違う世界ですが将棋界での師弟関係について、大内延介九段は「師弟はお互い存じ上げるどうのこうのではなく、親子以上の関係でなければならない」と語っていました。02年NHK将棋の解説中の含蓄ある言葉でしたが、相撲界でもそれは同じでしょう。私からも僭越ながらこの言葉をぜひ、まずは松ヶ根親方、そして本書の著者、みづえおかみにも贈りたいと思います。
それにしても本書は編集段階での加筆修正の有無はわからないものの、以前から自他共に認める勝ち気負けん気の強いみづえさんの、本当の女性らしさが滲み出ていたように思います。