アルメニアン・ダンス[全曲]
既に古典になった感も有るアルメニアンダンスを全曲収録+メトロポリス
というアルバムです。
佐渡&シエナの演奏そのものは『ブラスの祭典』シリーズの実績があるので
今更ここでどうこういうことはありません。前述シリーズに手を出し、好感想を
持たれた方なら期待に違うことの無いものを得られると思います。未見の方に
とっても、何かのイベント時に集合する団体では無く、定期演奏会&全国巡業を
行うことで地力をつけているバンドですから、演奏スタイルの嗜好を除けば
やはり期待を裏切ることはないと思うのです。
アルメニアの大地を想起させる雄大のホルンの調べ、静寂と賑わい、相反する
ものをしっかりと再現した木管、先祖伝来の土地を守って来た民族の自信を歌う
金管、フィーバーしまくりの打楽器群。
ノリノリの、そして演奏したくなる気を起こさせる危険な演奏です(笑)。
更にこのCDの良い所はライナーノーツがしっかりしているところ。吹奏楽
ファン・マニアはおなじみの富樫鉄火氏によるそれからは、曲目解説と氏の想い
が伝わってきます。
旅行人163号特集コーカサス〜アゼルバイジャン+アルメニア+グルジア
「地球の歩き方」に詳しく紹介されていない地域の旅の楽しさを伝えてくれる年2回発行の旅行雑誌「旅行人」ですが、このコーカサス特集は特にお勧めです。アルメニア、アゼルバイジャン、グルジアが取り上げられていますが、やはりグルジアの記事が一番良かったですね!ヒンカリやハチャブリを食べ歩きながら、トビリシからカズベキまでの軍事街道の自動車旅をまたしたくなりました。グルジアは本当に不思議な魅力のある国でした。
ざくろの色(デジタル・リマスター版) [DVD]
アルメニア出身の映画監督。長編は4本しか残していないとのこと。本作発表後、いわれの無い罪で投獄されました。これに対し、フェリーニ、ロッセリーニ、ヴィスコンティ、トリュフォー、ゴダールといった映画人が抗議をし1977年に釈放されたそうですが、その後も(旧ソ連時代)軟禁されるなど苦労の連続だったようです。
アルメニアの詩人『サヤト・ノヴァ』へのオマージュのようですが、最初に次のような字幕が出ます。
「18世紀アルメニアの詩人サヤト・ノヴァの伝記ではない」
「詩人の幼年時代〜死」と8章に区切られ順に字幕が出ます。ストーリーを追うというより、次々に差し出される美しいイメージを受け止めていけばよいのだと思います。エキゾチックな音楽(アルメニアの民族音楽だと思います。)が流れ、時々短いことばと字幕が入ります。動く絵画のような、あるいは演劇性の強いダンスのような、とにかく(私にとっては)初めて見る作風でした。
そして、作品のイメージは美しいだけではなく、とてもピュアで健やかで悠久の時を偲ばせるものでした。宗教、習慣などが異なっても、底に流れる何かが私たちともつながっていると感じられ、画面から目が離せなくなりました。心がリセットされます…。(目の覚めるような赤をはじめとした色彩の美しさは格別です。)
※山羊を捌くシーンに「流血」が見られますが、表現としては穏やかなものです。私たち日本人が魚を捌くのとなんら変わりのないものとして受け止められました。普段、映画の「流血シーン」は人一倍苦手な私です…。
Reed!×3(3)
リードと大阪市音楽団シリーズは、佼成WOの演奏するCDと比べてはるかに仕上がりが良いと思います。
第6組曲は、比較的多くの音源が発売されており、指揮者・演奏者が違うだけで全然雰囲気の違う演奏になります。
特に3楽章は打楽器がアド・リブで描かれている箇所があります。
それぞれの楽団がどういう楽器を使用しているか、聴き比べも面白いと思います。
エルサレム讃歌のfinaleは少しテンポが遅すぎる気がします。遅すぎるためか、バンダが入っているためか、縦の線がずれているところが多いです。
それでも佼成の演奏よりはましかもしれません。