芸術哲学入門 (文庫クセジュ)
もとよりこの分野は我説をゴリ押しする独善的な主張の本ばかりで、美学・芸術学の学生向きの素直な教科書が少なすぎる。そんな中で、この本は、著者の主張を抑えつつ、学説史の全体を紹介するという目的に徹しており、一般教養課程の教科書として、現在、ふつうに買える本としては最適だろう。
もちろん、これはあくまで入門書であって、これを読めば美学や芸術学がわかる、などというものではない。言ってみれば、旅行ガイドのようなもので、これをきっかけに、専門課程で原書のいくつかに実際に当たってみる、ということになるだろう。
いつか問題もある。主要トピックに限定しているため、プラトン、カント、ヘーゲル、ニーチェなど、ビッグネームに比重が置かれている。そのくせ、フランスのメルロ・ポンティなどに余計なページを割いて、中世・ルネッサンス・近代の、宗教や科学と芸術の関係という大きな問題はネグレクトされている。また、芸術哲学と言いながら、芸術の制作者側の視点は、やはりフランスのドラクロワなど、妙なものが上げられ、ゲーテのような大物思想家が欠け、ベートーヴェンも、ゴッホも言及されない。20世紀の現代芸術の大転換もフォローできていない。概してフランス絵画の中華思想に毒されている。
薄い本でもあり、多くを求めるべきでもなかろうが、美術以外を専攻する学生は関心を持てないかも知れない。教科書に使うにしても、教員が、絵画はもちろん、音楽や建築、演劇や映画などの話題も、具体的に取り込む必要があるだろう。
[ラコステ] LACOSTE SHORE
It was just alright for me. The thing is - the color was not red its red-orange(just like in the picture). I thought because of the lightings ( taking a picture) the color changed a little. Hey, I still use it so its alright!
この映画は典型的なハリウッド映画とは正反対のような位置づけにあるような、単純明快なストーリーや起承転結ではなくて、むしろ考えることをしないで感覚で鑑賞する気持ちで私は受け止めました。よって適切な感想の言葉もよく思いつかないのですが、5つ星の評価だけをしたくてコメントしました。
Hail Mary [VHS] [Import]
ゴダールの映画は情緒が無いんですね。ゴダールの作中人物は記号なんです。例えばきれいな映像であってもそれは記号なんですね。ゴダール映画の目に入るものは全て記号なんです。そして情緒は音楽なんです。その理解がないとゴダール映画は難解なんです。これはそんなゴダールの映画理論がとても上手く表現できた映画です。それ故、他のものに比べて解り易いのかも。これは私にもゴダール映画のベスト3に入る映画です。