ダ・ヴィンチ・コード(下) (角川文庫)
トータルの面白さとしてはまあまあ。しかしながらこれほど大騒ぎするようなミステリーとはとても思えません。
もともと日本人にはなじみの薄い欧州の宗教が絡む物語なので、そこのところでまず日本人には今ひとつピンと来ない舞台設定だと思います。
ネタバレのため、未読の人は読まないでほしいのですが、タイトルのダ・ヴィンチ・コードを信ずるとややはぐらかされます。なぜってこのミステリーはルーブル美術館官庁が作った謎を解明するのがほとんどだからです。個人的にはダ・ヴィンチの残した絵画などにもう少し謎が隠されているものだと想像していたので、やや肩透かし。黒幕も主要登場人物が少なすぎ、簡単に予測できるのもマイナス。
さしてドラマが二転三転でもなく、本当に海外で高評価なのかちょっと謎が残りますね。どうも欧州、北米ではやはり宗教に絡んだ歴史ロマンは受けが良い。その土壌がわからない日本ではややいまいちではないかと考えます。
謎解き自体はほどよい難易度で、時間をかけて真剣に考えれば結構答えが得られるものが多いので、謎解きとしては面白いですよ。
テンポもよく娯楽小説としては面白いとは思います。
個人的には本作よりも「天使と悪魔」のほうがはるかにお勧めです。あちらは謎解き要素がとても魅力的なのでね♪
ダ・ヴィンチ・コード(中) (角川文庫)
中巻では,ルーブル美術館から無事脱出した宗教図像学者と孫娘のソフィーが聖杯伝説の鍵を握るキーストーンを手に入れ,その謎を追うところがハイライトです.
なかなか込み入った謎解きで,実際にダイイングメッセージとしてこんな難しい暗号を残したのでは誰も解けないのではないかというくらい難しい謎解きです.
有名な「最後の晩餐」に関する解説はここで出てきます.話の展開が速くなってきて,しかも本の作りとして数ページという短い節で区切られていますので,もう一節だけと思って読み進むうちに最後まで読んでしまいます.