A Greek-English Lexicon
Intermediate は不規則さのある動詞に関しては変化形が何らかの形で必ず1つくらい見出し語として載ってるので、文法書の変化表と合わせて原型を割り出すのに役立ちます。大辞書にはそういう見出し語はほとんど載っていません。
また、語の説明は大辞書の抜粋ではなく独自の説明で、ときに大辞書よりわかりやすかったりします。
でも、学者になるつもりで勉強するなら、最初からこの大辞書に慣れるよう、これを中心に引くようにしたほうがいいです。中辞典は動詞の変化形を調べるためと、大辞書の例文の単語を調べるためだけにして。(中辞典や abridged、langenscheidt pocketで例文の単語を調べることは非常に多くなっていきますが。)
でも、まず中辞典や abridged でさがしてる単語の意味の目安をつかんだ方が、大辞典を調べやすくなりますけど。
または、中辞典でわかりにくいときは必ず大辞典をよく調べる、というふうにして。
この大辞書は、極小の字でびっしり、超見づらく書かれてるので、ざーっと目を走らせて必要な情報を拾う、という調べ方をするとすぐに頭ぐあいが悪くなります。
目をめちゃくちゃに動かして調べると、ほんとに頭ぐあい悪くなり、体に疾患が生じます。
目を秩序立ったしかたで動かす、秩序だったしかたで落ち着いて調べる、ということがふつうにできるようになるまでは、この辞書を引くと体調が悪くなる、という時期がつづくと思います。
2時間かけてたった5語とか3語しか調べれなくていいから、さらには例文の読み込みのために何日も同じ1語しか調べれなくていいから、ゆっくり丹念に調べていく。
一気に調べ上げようとしないで(そうすると無理がかかって体に疾患が生じます)、1つの事を調べるのにも順序を立てて、少しずつゆっくり調べていく。
非常に読解が遅くなりますが、急がば回れです。こうして始めていったほうが40代、50代、60代になったときのギリシャ語理解度が高いでしょう。
上記の誤った調べ方をしていると、いずれ「ギリシャ語=体調不良・病気」というふうになって、研究活動から落伍せざるを得なくなると思います。
この辞書や Smyth のような文法書を体ぐあいを悪くしないように引く方法を、日々考え工夫していく、それがイコールギリシャ語の勉強だと思います。
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ここからは abridged についての感想。
この abridged はすごく便利です。
大きさは intermediate と同じ、ペーパーバック版はクタッと開きっぱなしになります。
収録語数は多いけれど、大辞典にのってるすべての単語がのってるわけではないです。
intermediate (ほかのレビューでぼくが「中辞典」と言ってたの)と同じく、動詞の不規則な変化形が見出し語としてたくさん載っていて、これと田中・松平の変化表があれば Marinone (All the Greek Verbs) はいらないです。ぼくは気分しだいで Marinone もつかいますが。
intermediate は大辞典ほどではないにせよ、やはりかなり見づらい辞書で、例文にもあまり訳がついてないですが、
abridged はまるで現代の辞書みたく整然と見やすく調べやす〜いレイアウトで、説明もけっこう詳しく(大辞典とはちがう説明)、例文すべてに訳がついています。
すごく便利で、これか中辞典だけでコイネー以降の古代後期の単純化・簡単化したギリシャ語はほとんど大部分オーケーかと思います。
ただし、この abridged には致命的欠陥があります。ぼくの持ってるのはこの表紙にコンパスの写真のついたペーパーバックですが、印刷の極悪さが尋常でないです。
かすれたり滲んで判読できないところが夥しくあり、
コラムの半分が真っ白になっていたりするし、
1ページ丸ごと読めないページが、たぶん40枚以上あります。
ちなみに、intermediate の印刷は完璧です。