1977年に徳間書店から出た単行本の文庫化。 著者はガラス工芸の専門家。最初は正倉院の宝物について研究していたとのことで、長年の研究成果をまとめたのが本書。従来の研究史を覆す挑発的な内容で面白かった。 ポイントは大きく二つ。第一は、そもそも正倉院が宝物庫として成立した理由について。歴史的な視点からの提言であり、やや強引ではあるが、説得力を持つ内容だ。 第二は、光明皇后の時代から明治期に至るまでの、宝物の入れ替わりについて。各時代の所蔵一覧表や権力者による閲覧の記録を丹念に分析して、どのくらいの宝物が失われたり、新たに納入されたかを示してくれる。正倉院の宝物は、すべてが当初からのものというわけではないのである。 また、正倉院の現在の管理体制についても、痛烈な批判が寄せられていて爽快。 本書が美術史の世界でどのように受け入れられたかは寡聞にして知らない。けれども、大切な内容であり、正倉院に関心を持つ人には必読の一冊であろうと思う。 正倉院の謎―激動の歴史に揺れた宝物 (中公文庫) 関連情報
ココロ図書館にある鍵付きの本。ある日「怪盗ファニートータス」からその本を盗むという予告状が。そして予告状の噂を聞き駆けつける梶原警部。「ココロ図書館」唯一のドタバタ・コメディですが、そのラストには彼らと3姉妹のある絆がかいま見えます。シリーズの一つの鍵を握る怪盗ファニートータス登場編! ココロ図書館(3) [DVD] 関連情報
女将のCDだが、久々に聞いてみた。そろそろクリスマスというのもあるが、秋から冬にかけては出だしの「守ってあげたい」「恋人がサンタクロース」「BLIZZARD」っていい感じだな。改めて聞くと、けっこう音も厚みがあるね。CD2枚組たっぷり聞こうかな。 Neue Musik 関連情報
「ココロ図書館」終盤のクライマックス。 突如現れた新市長による図書館閉鎖のショッキングな通達と、それをどう受け止めるか、悩む3姉妹。そして、それまで「いいな」と「あると」しか読んでいなかった、父サン・ジョルディの日記を読む「こころ」。 すべての伏線が集約される11話はこれなくして原作のコミック版「ココロ図書館」も語れないほどの重要なエピソードとなっている。 母親の名を受け継いだ少女「こころ」は父の日記を読み、父と母の想いを知って、ある決心をするのだった。 ココロ図書館(6) [DVD] 関連情報
この「井上ひかり」2部作のテーマは「お母さんに会いたい!」 母親の顔は写真でしか知らない「こころ」と、重病の母(しかも、後のエピソードでシングル・マザーであることが判明)を心配する「ひかり」。二人の魂のぶつかり合いがメインのこの2話は「ココロ図書館」全13話の中でもかなり見ている者に辛い印象を与える。 だが、これが単なる「萌え」キャラを使ったその手のユーザ層を意識しただけのモノではない事を明確に表している。「こころ」や「あかり」と同じ世代の子供を持つお父さん、お母さんに是非見て欲しい! ココロ図書館(5) [DVD] 関連情報