ドン・フリードマンは、革新性と大衆性を併せ持った傑作「サークル・ワルツ(1962年)」で、ジャズファンの注目を集め、それ以降も膨大なレコーディングを重ねてきたピアニスト。我が国でも多くのファンを獲得しており、国内盤のリリースが多いジャズマンの一人に数えられると思います。それは、ある時期を境にスタンダードを主体に演奏するスタイルに転向?したせいかもしれません。本作「マイ・フェイヴァリット・シングス」はもとより、「ムーン・リヴァー 」、「スカボロー・フェア」など、より広範囲な層へのアピールを狙ったかのような、ポピュラーそのものを選曲したアルバムもリリースしていますし。これを、ルーチンワーク的なやっつけ仕事ととるか、ミュージシャンの成熟期ととるかは、リスナーの判断によると思いますが、フリードマンも相応の年齢に達したのだ、という結論に落ち着くのでは?冒頭の「マイ・フェイヴァリット・シングス」は、ジョン・コルトレーンの「セルフレスネス」に収録された凄まじいライブ音源が耳の奥に焼き付いているので、非常に柔和な演奏に感じます。そして、リリカルなピアノの響きからは、やはり、ビル・エヴァンス派との印象を抱きました。続く「イット・クッド・ハップン・トゥ・ユー」は、チェット・ベイカーのトランペットとヴォーカルでジャズファンにはお馴染みの曲。ここでは、フリードマンがピアノで軽快に歌っています。その他の曲でも、ソフトな語り口のフリードマンのピアノ、腰の据わったジョージ・ムラーツのベース、控えめながら安定感のあるルイス・ナッシュのドラムスが、「安心して聴いていられるピアノトリオの世界」を具現化していてます。「サークル・ワルツ」の緊張感、美的感覚を求める方には、物足りなさも感じられるかもしれませんが、6曲目「ネヴァー・レット・ミー・ゴー」の心の底にまで染み入るような、大人の雰囲気に満ちたプレイを聴きますと、「円熟」の価値を知らされたような気がします。ラストの「サマーズ・エンド」は、若かりし頃のフリードマンを彷彿とさせる透明感のあるピアノソロで、アルバムの締めくくりにふさわしい曲。 マイ・フェイバリット・シングス(紙ジャケット仕様) 関連情報
セリフが多く、早いため少し分かりにくい所は有るものの、内容は素晴らしかった。僕はこの作品は明らかに戦争批判映画だと思う。この映画を戦争の勝利に酔っていたであろう当時のアメリカで製作し、発表したのは凄いことだと思う。 殺人狂時代 (2枚組) [DVD] 関連情報