いずれの短編も野鳥がモチーフ。読み始めはバードウォッチング的でなんとなくオタクっぽい感があったが、超ハード派作品であった。特に「密猟志願」。冒険、狩猟、死、厭世、温もり。読み終えた後、ジーンときた。切なくなった。稀有なストリーを素晴らしい文章で伝えてくれている。目から入る映像ではなく、脳のイメージでなければ感じ取れないだろう。 ダック・コール (ハヤカワ文庫JA) 関連情報
とっても可愛くて癒される写真ばかりです!それに珍しい動物もいっぱい!私のオススメは、微動だにしないで有名なあのハシビロコウの写真です(笑) どうぶつのあくび 関連情報
やたらキザだったり、減らず口をたたいて人を怒らせたり、意味もなくカーチェイスをしてみたり、強そうに見えないのに殴り合いに巻き込まれたり、女に関してはなぜかやせ我慢をしたり・・・そんなハードボイルドも勿論いいけど、この筆者の書く「ハードボイルド」はひと味違う。登場人物は派手な活躍もしないし、暴力沙汰や恋愛沙汰も少ない。激しく自己主張はしないが、芯が強く、誰にも犯しがたい気高い魂を胸に抱いている。そんな男や、女や、子どもが、静かにたたずむ本なのです。なにしろ、たとえば記録映画のカメラマンが珍しい鳥に心を奪われるという「望遠」の主人公は、<何もしない>ことでハードボイルドを成立させています。「デコイとブンタ」は、デコイ(カモ猟用のおとりの模型)と主人公の少年の奇妙な友情がテーマです。大自然を舞台にした心にしみ入るハードボイルド。山本周五郎賞受賞の名に恥じない、大傑作です。ミステリやハードボイルドのファンだけではなく、万人に読んでもらいたいと思います。 ダック・コール 関連情報