白球の約束 高校野球監督になったプロ野球選手たち (角川書店単行本)
昨今、何かと注目されはじめたプロ野球選手たちのセカンドキャリア。その中でも、世間が思うほど簡単な道ではない、高校野球指導者の道を選んだ元選手たちの“今”を追った渾身のドキュメント。紹介されている6人の元プロ野球選手監督の、選手時代の話から、辞めてからの苦労から順を追って書かれているので、指導者としての考え方が、説得力を持って読むことができる。中でも「アンチ勝利至上主義」を掲げる常葉菊川の元監督の佐野心さんの話は、ただひたすら感心する。9回、ツーアウト満塁、ツースリーで、審判の判定に勝敗委ねるアウトコース低めを攻める投球よりも、自分の力だけで勝敗を決することができるど真ん中に投げることを勧める、男気溢れる理論は、勝利至上主義では絶対に出てこない発想だし、「自分の人生は、自分で解決しろ!」という教育的な視点が含まれており、共感が持てる。しかも、安易なヒロイズムで終わることなく、“それならどうしたらど真ん中に一番力のあるボールが投げられるか”というとこまで踏み込んで、理詰めで徹底的に指導する。また、現役時代に落合博満氏から受けたアドバイスや、星野監督の名参謀・島野育夫氏のエピソードも実にいかしている。他にも、元国立大出身のプロ野球選手・杉本友さんの論理的な中にも熱がある“夢を育てる”指導方針、元祖元プロ野球選手監督の後原富さんの未だに冷めぬ指導熱など、どの指導者たちも個性があり、同時に元プロ野球選手でありながらも技術屋としての意識よりも、むしろ教師としての熱意に満ち溢れているなど共感ポイントが多い。プロ野球界の内側を知りたい人、高校野球とは何か?の答えを見つけたい人、そして野球が好きで好きで仕方ない人に読んでもらいたい一冊だ。読み応えと爽やかな感動を与えてくれること、間違いなし! 白球の約束 高校野球監督になったプロ野球選手たち (角川書店単行本) 関連情報
自伝ではないけど、本田さんのバックグラウンドがよくわかる内容です。オランダの二部でMVPとかとってから現在までのこととか、ガンバで上に上がれなかったとかは結構エピソードとしては有名ですが幼少時、中学時代、高校時代の事まで書かれているので面白いです。自分ももっとハングリーにならないとなって、刺激を受けました。ただ、本人の許可を得ていないらしい 実現の条件 本田圭佑のルーツとは 関連情報
大越基、大野久、杉本友、佐野心、酒井弘樹という顔ぶれは、プロ野球の世界で、決して、成功しなかった二軍選手ではないが、レギュラーとして記録を残した有名選手でもない。おそらくプロでは不完全燃焼であったろう野球人生を、今度は高校野球の監督という立場に変えて奮闘している。文中ではふりがなが目立つ。小中高の野球少年にも読んでもらいたいという本と思われる。本では最後にもう1人、後原・富(せどはら・ひさし)という元プロの監督が登場する。上記5氏と違い、かつての東映に3年だけいたという昔の人で、当時東映の外野陣は白仁天、張本、毒島といった猛者連。後原外野手が活躍する場はなかったが、その後高校野球の監督に転進した。今と違い監督になる条件もケタ違いに厳しかった時代に(教師10年)、先駆者として戦ってきた氏の奮闘に目を向けたい。 白球の約束 高校野球監督になったプロ野球選手たち 関連情報