朱鷺色三角 商品

朱鷺色三角 朱鷺色三角(トライアングル) (第1巻) (白泉社文庫)

85+85の前後編で発表されているが、最初の殺人が起こるのは前編のラスト。たっぷり80pかけて状況説明をしているのだ。2時間の映画で1時間かけたと考えると、そのとんでもなさがわかるだろう。
しかしこれは確かに必要だったのである。

まるで横溝のような「瀬戸内の小島」「旧家」といった箱に「超能力」を馴染ませるにはそれだけかけて環境を整える必要があったのだ。そして驚嘆すべきことに、ひたすら伏線をはるだけの80pでありながら、緊張感を保ち続けることに成功しているのである。

後編、次々と殺人が起こる中で当主の長女がこう漏らす
「次々と人が死んで、お葬式を出す暇もあらへん、、、」
現実に生きている人でなくては出ない台詞である。こういったものによって、浮き足立ちがちなストーリーがしっかりと地につく。これが虚構を作り上げていくのに欠かせない「リアリティ」なのだ。 朱鷺色三角(トライアングル) (第1巻) (白泉社文庫) 関連情報

朱鷺色三角 朱鷺色三角 1 (白泉社文庫)

初出のときには、これほど長い連載になる予定はなかったらしい。
「朱鷺色トライアングル」というのは改名後の題で、雑誌に連載されたときは確か「蛍たちは笑う」という題だったと思う。
あまりに反響が大きかったから、連載化されたのだと思う。
なので、1巻だけ読んでも、かなり読み応えありますよ。 朱鷺色三角 1 (白泉社文庫) 関連情報




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