「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」「東京大空襲」 (KCデラックス)
ベトナムの戦場でいったい何が起こっていたのかが克明につづられる。米兵は相手をグークス(見せ物小屋にいる異形の人=東洋人を差別することば)としてしか見ず、とにかく殺す。ほっておけば反撃される、その前に殺すのだと教えこまれているからだ。しかし、ネルソンさんは、現地の少女の出産現場に立ち会ったり、捕虜から英語で「なぜあなたたちは私の国にいて、私たちを殺しているのですか」と問われたりする。
一年後、ネルソンさんは、ベトナムから帰国するが、PTSDに苦しむ。目の前に殺した「ベトコン」があらわれるのだ。家庭を持ち一見幸せな生活を送るものの、その幻影は消えずネルソンさんを苦しめる。カウンセリングを受け、18年後、自分の本当の気持ちを知ることで立ち直っていく。
表題は、小学校でベトナム戦争の体験を語ったとき、子どもから受けた質問だ。ネルソンさんがどう答えたのかは読んでいただきたいが、同名の書物(アレン・ネルソン著)も合わせて読まれると、さらに深く理解できると思う。
また、並木路子「リンゴの歌」にまつわる秘話を描いた「東京大空襲」も含まれている。
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キムンカムイ 1~最新巻(少年マガジンコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]
作者の三枝氏の作品は考えさせられる内容の書籍が多いのですが、この作品は最初の内は人間の醜さを、最後は少年達の自然に対しての考え方を表現しており、自身も考えさせられる物語です。 キムンカムイ 1~最新巻(少年マガジンコミックス) [マーケットプレイス コミックセット] 関連情報
『チェルノブイリの少年たち』(原作:広瀬隆)、『尾瀬に死す』(原作:平野長靖)のコミック化。
各作品前後編の計4話と、それぞれの後書きから構成。タイトル作初出は1991年、週刊少年マガジンで2週にわたり掲載。
旧ソビエト連邦下での未曾有の放射能事故の顛末、一方の『尾瀬に死す』は、今では環境保全が定着した尾瀬湿原の
そこに至るまでの知られざる壮絶な過去、それぞれを当事者とその家族に視点をあて描いてます。
ともに自然界のバランスを無視した人類の独善が生んだ悲劇の記録です。
決して遠い遠い昔の他人事ではない、人類が地上に生息し続けるかぎり心にとどめ忘れてはならないもの。
この作品に込められた先達のメッセージは、つい目の前の利便・快楽の享受に安穏とする我々への警鐘です。
(僕と同じく)当時マガジンで読んで衝撃受けた方、これでもう一度読めますよ。
十数年前にこれ読んで以来、僕はクルマで片道30分以内の距離ならよほどの事がないかぎり自転車で行くようになりました。
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