外の世界から遮断された極度に狭い１箇所に閉じ込められて、距離を撮ることができない集団生活をさせられると、自由な市民社会にいるのとは別の心理状態になり、残酷な行為をする傾向がある、とのスタンフォード監獄実験を例示し、学校という閉鎖空間が強制収容所と威力を発揮し、強制的にベタベタと“仲良く”させることで、更にいじめを誘発しているのだから、市民社会同様に学校を「聖域」とせず、司法を介入させよ、との論。 私は警察を信用していないので、通報を警察自体が過小評価して受け付けないおそれもあり、疑問符がつくが、学校側の隠蔽という利益を慮らないとは言えないスクールポリスでなく、行政から独立した地域の人が校内を見回ったり、大学のように単位制や、教室でなく自由に誰とでも食べられるカフェテリア方式でやれば、加害者の方が阻害される為にいじめを行うことは損となり、損得勘定で行為自体がなくなるとの「学級制度の廃止」論や、メディアが本質を解決しようとせず、「心の問題」に矮小化し、解決でなく繰り返しを助長している、 との主張について大枠では賛同する。 無視など「コミュニケーション操作系のいじめ」に対し、いじめの内容の文書化で証拠を残す、良心的で有能でやる気のある教員を活用する、学校を変えるとの指摘される手段も有効的だろうが、教員は既に「ヒノキミ問題」でも明らかなように、教委に逆らえない奴隷としてしか存在を許されず、面従腹背の仕事ぶりが評価されるような評価制度も導入されている中で、そんな酔狂な教員がどれほど存在し、地域社会の協力も得られないのにそのモチベーションを持ち続けられるのかにつては大いに疑問がある。 いじめられる側の問題を「からくりの理由」とし、「責任のもと」ではない、いじめを見て見ぬふりをせざるを得ないクラスメイトを、街でやくざに絡まれた人を見たら、必ず仲裁するのか？と置き換えてなされる説明にも頷く。 しかし、少年法は可塑性が高いことを前提としているとし、処罰の重さを可塑性でなく、加害されたの命や尊厳の重さで、終身刑などの厳罰化（事実上無期刑は終身刑化しているし、「死ぬまで出さない」との付帯条件付の終身刑も存在するので、終身刑を新設する必要性はない）を主張するが、そこには行刑施設の教育刑放棄の現状を肯定する根があると感じる。 大津市の越市長によるいじめ問題が大きくなった時の「可塑性」という変節の例には笑った。 いじめ加害者を厳罰にせよ (ベスト新書) 関連情報
あぁかさなはかさなはかななちやさねほらやゆはろーりゆのゆにはなほ 聞こえる、視野が広い、雨水が入らない。日よけにもなるＫＯＢＡＹＡヘルメット用メットカッパ。改正道路交通法の傘さし自転車厳罰化対策にも、自転車通学、通勤に安心。また、土砂災害や豪雨での復旧作業用装備品に、今持っているヘルメットに直ぐ取りつきます。 関連情報
１．内容厳罰化とポピュリズムがグローバル化している、すなわち、拘禁率が上昇したり、専門家の見解を無視して世論や個人の経験を重視した刑事政策がどこの国にも生じている。本書論文は、厳罰化とポピュリズムのグローバル化をネガティブなもの（コストがかかったり、人権が制約される可能性が高まったりするので）としてとらえ、厳罰化やポピュリズムがどのように起こっているかを国際比較（アメリカ、ニュージーランド、日本、スカンジナビア半島など）で表したものである。おおむね、福祉政策が充実しており、厳罰化があまり進んでいないスカンジナビア半島を高く評価し、「偏執病」（p１９）と記されているように、アメリカのような厳罰化が進んでいる国を低く評価している内容になっている（ように感じた）。２．評価私としては、本書の論文のような問題意識は一理あると感じている。読者の皆様も、本書のような問題意識も頭に入れておいたほうがよい（例えて言えば、エセ科学にとらわれず、科学的に考察すべきである、と言ったところか）。ただ、その一方で、とりわけポピュリズムが絶対的に悪いことなのか、といったことも考えられるので（本書では「ポピュリズムは絶対的に悪い」とは言っていないはず。ただ、一連の犯罪被害者権利獲得運動はあまり高く評価していないように感じた。本書の論者も否定しないだろうが、犯罪被害者の権利獲得も立派な社会の進歩である。要はバランスである）、星１つ減らして、星４つとする。 グローバル化する厳罰化とポピュリズム 関連情報
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