延原武春 商品

延原武春 延原武春ベートーヴェン:交響曲第3番”英雄”&第4番

本CDの演奏は一昨年行われた演奏会のライヴです。”クラシカル楽器”を使い且つ,”楽譜”の指定通りのテンポに可成り拘った新奇性が聴き所の演奏です。
最初,普段聴き慣れている演奏に比べると,もう少し潤いとかが欲しいと思わせる程に忙しない印象ですが,繰り返し聴き込むと,素朴さの中に遊び心さえも感じる好演奏であることが解かると思います。弦のボウイングに尚一層の徹底さと余裕が出れば更に好いものになると思いました。
(弦の配置は 左から1st(7名) Va Vc 2nd Cb です)

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
私にとって,延原武春氏のベートーヴェンと言うと,1982年の不思議な演奏会(1982年11月26日(金)神戸文化ホール中ホールで行われた演奏会。「あなたも歌おう歓喜の歌」「第九交響曲事始め〜坂東俘虜収容所の記録より」)に始まり,100人の第九から第九deクリスマスで第九を計8回,其の中で第六「田園」と第五の併奏が各1回となります。
本CD等関連の”クラシカル楽器”に依る演奏会は聴く事がかないませんでした。

其れが今年(2010年)になって,大阪フィルハーモニー交響楽団と小編成での古典シリーズが本CDと同じいずみホールでもたらされ,第一回にベト四が登場しました。其れは感心する演奏でした。大フィルのアンサンブル力と上手く噛み合ったのでしょう。とりわけ第二楽章後半は印象に残りました。
(因みに,此の印象を彷彿とさせる演奏CDは,ジェーン・グローヴァー指揮RPOのハイドン交響曲104番「ロンドン」の第2・第3楽章と,私は感じました。)
其れで本CDを求めることとなったような訳です。

延原武春という方は,常に新しいことを模索されているように感じています。
本領であろうテレマン等バロック作品の演奏にせよ,かつての関西楽壇に於いては,朝比奈隆/大フィルという大伽藍があったことが,却って彼(ら)をして新奇の異なる道を懸命に歩ませ得たのかもしれません。
1982年の演奏会から大凡30年。ホグウッドやガーディナーそしてインマゼール等の古楽器系の演奏者・指揮者たちが続いた後,再度”楽譜”指定通りのテンポに可成り拘ることで,彼一流の考え過ぎないシンプルな拘りを担保しつつ聴かせる演奏を新たに提起してくれました。只,其れはいつもながら未了のものです。本CDの演奏も其のような新奇性が聴き所となっています。 延原武春ベートーヴェン:交響曲第3番”英雄”&第4番 関連情報




Loading...


ここを友達に教える