これは、見ごたえがあります!アガサ・クリスティは、実際なぞの2週間?があって、その後最初の夫と離婚したみたいです。夫を愛しているにもかかわらず、夫に別の好きな人ができて、愛されなくなってしまったらしいです。まあ、あのようにたくさんの傑作推理小説を書いていますから、夫のことをかまうヒマもなかったかと思いますが。で、この映画は、アガサが振られたときに、世間から行方不明になった間に、自殺しよう、として、失敗する過程が想像で描かれているわけです。大女優のヴァネッサ・レッドグレイブが、愛に破れた悲痛なインテリ・イギリス女を、迫真の演技で演じています。その、夫が4代目007のティモシー・ダルトンですが・・・彼らは実際14年間同棲していたらしいのですね。なので、ヴァネッサの愛の目の演技が、本当の感じですごいです!ティモシーもクールな夫を、演じていますが、最後、自殺に失敗して、記者会見するときの、アガサ・・・と呼ぶ、呼び方に・・・もう、捨てた妻、なのに、最後のいたわり、というか、愛の残りカス、みたいなものを感じ、・・・・うならされます・・・!!!ダスティン・ホフマンが、ヴァネッサより背が低いながら、傷ついた彼女を愛して救う、大人の役を、好演しています。二人の会話の中で、嵐が丘とかに思いをはせて、恋人や夫に対する様々な行動や態度を分析・吟味する議論が出てきて、アガサが計画を実行するまでの苦悩の過程も垣間見せます。もう、本当に目が離せない、演技三つ巴の火花をちらす、すごい映画です。192,30年代のイギリスの風景、車、ファッションなども素敵です。カメラは、ヴィットリオ・ストラーロです!音楽もとてもいいです。監督さんは、この後、歌えロレッタ!愛のためにでアカデミー賞を取った人です。それにしても・・・夫に女ができて、もう、夫を取り戻すことはできない・・・・せめて、自分が死ぬのに、その、なんの罪もない顔をしている相手の女の手によって、殺されよう!彼女に、私を殺してしまう罪、を犯させよう・・・とするところに、女の嫉妬と復讐の執念を、感じます。 アガサ 愛の失踪事件 [VHS] 関連情報
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■取り敢えず始める前に(例の如くというか)「データの引き継ぎ」をしておくのがよろしいかと(因みに一瞬で終わります)。シナリオ…今回は最終巻だけあってか、今までで一番楽しかった印象があります(第3巻も面白かったけど)。最初の章(第10章)は今までと若干趣向が違っていましたが、これはこれで良かったかな。ただ、この章の「3つの証拠」の選択がややクセモノで、柔軟な思考で考えないと突破するのに苦労するかも。逆に言うと、というか、ここを突破すれば後はそんなに難しい選択肢や証拠の提示はないと思います。因みに個人的に感じたことですが、今回は「自分で謎を解いていく」という感覚はそれほどなく、「シナリオの展開を楽しむ」という感が強かったですかね(てか実際に推理部分が今までと比べて少なかった印象)。そうそう、テンポの良さは相変わらずで、おまけエピソードもさらに充実された感があるのは◎です。不満点は相変わらずの「虫めがねでの怪しい箇所の捜索」が総当たりで作業的なことと、同じく相変わらずのボリュームの少なさでしょうか(あ、前者はどちらかというと「システム」かな)。他にも僅かにはありますが全体の面白さを考えれば些細なこと。キャラ…もう言及する必要はないでしょうかねwメインの探偵部のキャラ達は勿論、サブまで皆(魅力的な)良いキャラしてます。音楽…OPテーマ曲(前2巻と違ってシリアスなカッコイイ曲)は前の第3巻と同じですが、良い曲ですし変更する必要はなかったと思うので気にならない。ゲーム中のBGMはいつも通り(悪くない、どちらかというと良い)。システム…前述した捜査(捜索)パートの不満はありますが、いつも通り基本システムは悪くないです。ただ、いつも通り容量が結構掛かる「インストール」をしていないとローディング時間は長めです。総評…ラストの巻だけあってかなり盛り上がってくれた印象。多くはないですがラブコメ要素も本編に今まで以上に垣間見られる場面もあり、個人的には大好物なシナリオ展開。ただ、過去の巻の事件等の伏線をこの巻で収束していることも含め(過去巻のネタバレ有り)、プレイするなら是非シリーズを通してプレイしていただきたいです(どうしてもソフト4分割商法だけは納得出来ませんが、通してプレイしてきた方は懲りずに買い続けてきた甲斐があったのでは)。P.S.因みにラスト(事件解決後)の「3箇所へ移動する」選択肢の場面ではセーブしておくのをオススメします(一度クリアしてここでロードし直してクリアを繰り返せば、一気に「おまけエピソード」が増えるので)。さらに追記(11/28):あと「煌めく流星」のテンションには思わず笑いましたwあと「不運な衛星」は吹いたw たんていぶ THE DETECTIVE CLUB -失踪と反撃と大団円- (初回限定版) 関連情報
周囲でこの本が話題に上がっていたので私も手にとって読んでみました。読了後、言いようの知れない感覚に襲われたのがとても感慨深いです。彼は漫画家生活に嫌気をさし、放浪生活へと身を投じるわけですが、そこに見られる漫画表現の裏に凄絶な人生のリアルさを垣間見ることができます。一見ギャグに見える生活談の一つ一つの裏には、言いようの知れない絶望感や挫折感、人生の悲哀が隠れており、読者の想像力を大いに刺激するでしょう。作者はそれら悲劇を全くといっていいほどおくびにも見せず、ただユーモラスかつコミカルに、喜劇的な娯楽作品として読者に見せてくれるのです。かつてこれほど娯楽の本質を突いた作品を私はいくつも知りません。この作品は漫画として、またエッセイストとしての彼の才能を存分に発揮していると言っていいでしょう。名作です。 失踪日記 関連情報
名作『失踪日記』から八年、吾妻ひでおが書きあげた『アル中病棟』。精神病院の一角に設けられたアル中・アルコール依存症専用の病棟での、3ヶ月間の入院体験が描かれる。丸々八年がかり。時間がかかった理由のひとつが、ただ事ではない一コマごとの描き込み。吾妻の絵はとてもなじみやすい、あたたかな描線で書かれており、すらすらと読める。しかし、よく見ると一コマに10人、20人が平気で書かれており、その人物たちが全身像でそれぞれの演技をしている。吾妻は、マンガでアル中病棟の人びと(約100人の入院患者)の群像劇を描いたのだ。しかも、はじめから最終ページまで、手抜き・妥協というものがいっさいない。マンガの素人が見ても、これは普通のマンガの10倍・20倍の労力じゃないかと思える。風景の書き込みもすごい。舞台となった「A病院」は、三鷹・調布界隈(作品ではM鷹、C布等と表記される)では有名な大きな精神病院。患者たちはそこからさまざまな機会に外出する。近くを流れる野川を散歩したり、行事で神代植物公園や深大寺に出かけたりする。その背景の絵が完璧に写実。しかも、登場人物たちとの違和感のない写実、ちゃんとマンガになっている写実。これでは一ページ描くのに何時間、何十時間もかかるだろうなと思わせる。群像劇でありながら、登場人物たちをひとりひとり際立たせる工夫。熱血漢、詐欺師まがい、無気力人間、屁理屈こき…もう笑ってしまうしかない多様な人間像。むかし安倍譲二が『塀の中の懲りない面々』という大傑作を書いた。刑務所の住人の、深海魚のような珍奇さ怪奇さを描いて笑わせた。それに通じる人間の不条理、滑稽、悲惨を、吾妻流のあたたかい描線に乗せて語っている。知られざるアル中病棟の、内側からのレポート。マンガ作品としてみごとであり、貴重なルポルタージュとして傑作。 失踪日記2 アル中病棟 関連情報
かなり昔に出版された本だけに、現在も通用するのか不安になる点が多いのは気になりました。失踪は数日から一生涯まで幅広くレクチャーしてくれますが、期間が長い(または無期)場合は他人の戸籍を売ってもらえ!とか偽造身分証を作れ!とか犯罪に関わる話も多く、借金や犯罪などのよほどの「ワケあり」な人でなくては手を出せないことを前提としているので、要するに家出や家族を捨てての自立、といった程度の事情での失踪にはあまり実践的でないかもしれません。前述のように大掛かりな失踪でも、偽造などに関して現代のセキュリティはどう変わっているのか?といった不安も残りますし・・。でも、思いつめていた人が「いざとなったら生活を捨てて失踪すればいい」という気楽な気持ちで生活を送れるようになるきっかけにもなれると思います。 完全失踪マニュアル 関連情報