人間・失格-たとえばぼくが死んだら- DVD-BOX
野島氏は80年代にもトレンディードラマ系で活躍していたようだが、事実上「野島世界」を構築したのは「高校教師」が始まりではないだろうか?この作品で色々なタブーを取り上げ話題になったが、続く2作目と言ってよいであろう、「人間失格」もまた新たなタブーに挑戦した。
前作で謎めいた女優として注目を集めた桜井を再び起用、そして温厚なキャラクター設定で存在感を示した赤井が再び主役として抜擢された。前作同様温厚な人物設定でまたしても見事なはまり役ではあったが、前作と微妙に異なるのは赤井が後半になるにつれ殺人鬼へと変貌してしまう事だ。しかしながらその動機を知ると息子を失ったがためにがその感情がちょっと歪んだ方向へ行ってしまった。つまり紙一重な部分で善人の故に殺人鬼へと豹変してしまったとも言える。
桜井は前作とは全く逆のおてんばな先生役という設定で言い意味で期待を裏切った。
そして準主役として全くの素人キンキキッズを起用。当初はジャニーズが野島ドラマに染まるか?と危惧していたが、何のその見事にドラマに溶け込んでいた。特に剛が前半編の最後に墓の前で眠るように泣いていたのは初ドラマとは思えないほど好演だったし、赤井との球場での最後のキャッチボールは関西弁でしか伝わらない温かさを感じた。
確かに、前半の過激ないじめシーンや後半の戦慄の復讐と相変わらずの「野島節」が随所に見られたが、上記のような温かいシーンもそれに匹敵する程多いのも事実。過激なシーンがあるが故に温かいシーンは相乗効果で泣ける部分もある。
また、「ポスト京本」加勢はそれまでの役を覆すほどの泥泥した二面性を持つ役を好演したし、脇役ではあったが体育教師役斉藤もどこか滑稽だったが女装写真を発見してしまったシーンや赤井にラーメンのおかもちで撲殺される所は見事な好演だった。
野島作品では高校教師と肩を並べる傑作である。
スノープリンス
「スノープリンス」
美しいピアノの旋律から始まるこの曲
森本慎太郎くんがメインボーカルのようですが、
他のメンバーとの美しいハーモニーが聴けます。
「クリスマス・ソングメドレー」
こちらはこれからの季節には無くてはならない曲ですね。
編曲にKinki Kidsの「フラワー」や
「浜崎あゆみ」さんの全盛期(失礼かな?)の
編曲の7〜8割を担当していた「HAL」さんが手掛けているので、
「きよしこの夜」以外はノリのある気持ち良いアレンジです。
「Bitter Moon」
スノープリンス合唱団には早すぎるのかな・・・
ノリのある、片想いソングですね。
こちらはHey!Say!7(初代)の「Hey!Say!」や
JUMPの「真夜中のシャドーボーイ」のカップリングで
藪くんが作詞をして話題だった「スクール革命」の作曲を担当した、
「BOUNCEBACK」によるトータルプロデュース曲のようです。
スコットランドヤード・ゲーム (小学館文庫 の 2-1)
ボードゲーム『スコットランドヤード』では、24ターンのうちに怪盗を捕まえなくてはならない。本小説では、主人公が24日の間に彼女を恋人にできるかというテーマで筋書きが進行する。
いわゆるトレンディドラマは全く見たこともないし、ラブロマンスなんかで感動したこともほとんどない私だが、ボードゲームつながりで読み始めたこの本、よくある男女の恋愛話だろうと高をくくっていた。
だが、物語は中盤から急展開、全く予想もつかなかったどんでん返しと、「我々は、死者とどう向き合うのか」という隠れたメッセージが心を打つ。宗教的、哲学的にも含蓄が深い。
それでいて読み口は一言会話が繰り返されて軽快、ところどころウィットに富んでいてクスッとさせるところもある。ボードゲームも、実際に何回か大事な場面で登場し、テーマと自然になじんでいる。
これがドラマ化されたら、ボードゲームの『スコットランドヤード』が流行らないかな。
未成年 DVD-BOX
自分の原点となる考え方に、地響きのような衝撃的な共感をもたらしたテレビドラマ。
ふだんドラマなんて見ないけれど、これは昔意地でもビデオにとって毎回欠かさず見ていた。本当に最高におもしろいドラマだった。
ウンコもらしたとか風俗嬢が出てきたりとか、けっこうエグい内容もある。今となったら少し問題にされそうな内容かもしれない。でもこんなドラマが許された1990年代のテレビドラマ界はすばらしいと思うし、いつかまたこんな風に現実に切り込むドラマが出てくれればと思う。
キャストもすごい。皆がそれぞれに闇を抱えている役柄を、非常に上手く演じている。
不思議なのが、擦り切れるほど見たビデオ、何回見ても涙が出る。特に最後の方は名言だらけで、他人と比べられることに異を唱えた主人公ヒロの自由さに、当時あらゆることに縛られた学生だった私は心から感激した。自分が言い表せないもやもやを、ヒロがとてもうまく代弁してくれたような気持だった。スカッとした。しかしどこか切なくて、若さが空しくて、余韻が後を引いた。今なお忘れられない。
永久保存版としてのDVDは、高価だが買いだ。このドラマは今見ても古くない。このドラマにかかわったすべての人に敬意を表したい。
スヌスムムリクの恋人 (小学館文庫)
ムーミンの登場人物スナフキン。
彼の本名と主人公ナオキをクロスオーバーさせてかかれた今作は、非常に綺麗な話だ。
破壊と再生と、というよりは発見と出発の物語。
ただ、やや美化しすぎている嫌いがあるように感じた。……主人公が青春小説のよくある典型的パターン(異性関係が充実している道化)なのがそれに拍車をかけてしまっていると思う。
登場人物はわかりやすくキャラクター付けられていて(そこに反感を覚える人もいるかもしれないが)主人公以外は、私は好感が持てた。
結末はちょっとぬるいが、ハッピーエンドを楽しむことが出来て良かった。