アンフェア the answer Blu-rayプレミアム・エディション
本編の内容はけっこうどんでん返しが満載の楽しい作品だ。
フジテレビ/関西テレビ製作の大作だけあり、ロケも紋別から
23区&東宝スタジオ、横浜まで非常に広範囲&ダイナミックに
撮られている。
そこに香川照之や佐藤浩市、山田孝之に寺島進まで絡むのだから、
ある意味つまらない訳が無い(笑)。
篠原亮子も根っこは綾瀬はるか系統だが、クールビューティな刑事を
カッコ良く決めていた。
北海道ロケの紋別については「おいしいマン」の時も書いたが、
フィルムコミッションが出来る前までは映画の撮影隊など来ないエリアだった。
ほとんどがサロマや網走で止まってしまうのが要因だが、本作は
2本目の大型作品誘致といっていい。
メイキングで佐藤浩市が語っていた「行きつけのスナック」ジルは、韓国スタッフ
(おいしいマンは池脇千鶴が出演しているが、韓国映画である)の行きつけでも
あったようで、やはり街は狭い(笑)。
本作で特筆できるのは特典ディスクもブルーレイなことだ。
もはやハリウッドでは標準化されつつあるが、日本映画のソフト化では未だ
本編ブルーレイで特典DVDというのが非常に多い。
最近のメイキングはほとんどHDカメラで押さえているはずなので、もともとブルーレイ
とは相性がいい。これからもどんどんブルーレイ特典を増やして頂きたいものだ。
これが面白くて「グータンヌーボスペシャル」での主要キャスト酔っ払い対談とか
特に素晴らしい(笑)。TVドラマ繋がりなので楽しそうな現場も収録されている。
ただし、本作のクランクインは2011年の2月に紋別で始まり、東京に帰った直後
311に被災した。14日から早くも再開しているのは大したものだが、そういう意味でも
貴重なメイキングと言える。
作品は星3つだが、特典の充実にプラス1の4つ星です。
小林賢太郎プロデュース公演 「LENS」 [DVD]
KKP作品の中で一番好きです。
僕は推理小説、映画など推理系には疎いので、とても面白く観れました。
登場人物がどれも魅力的。音楽も椎名林檎がすごくマッチしてた。
こういう大正ロマン(でいいのかな?)の漂うモダンな雰囲気も好き。
天城のような探偵が活躍する作品なら、舞台に限らず、いろんなジャンルで見てみたいです。
東京プレイボーイクラブ [DVD]
ジョニー・トーに絶賛されたりしょっぱなから海外の映画祭へ出品するなど下馬評が凄かったが劇場で見れずやっとこさ見れた。
これが監督の商業映画初デビューというから驚き、大体下馬評なんか場合によっては全然アテにならないときがあるがこれはアタリ(個人的)といっても過言ではないだろう。
場末のサロン(違法風俗)を舞台に訳ありだらけの男と女が遭遇する殺人事件とその顛末を描いた物語なのだが
まあ主人公がどうゆう奴でどうゆう人間なのかは具体的な説明は断片的にしか無い、というかこれに出てくる登場人物たちも殆どが
そうなのだが余計な説明や理由などを廃するところがまた今時っぽい映画ともいえるだろう。
物語にしても命とりになりかねない偶発的な殺人からのトラブル連鎖というよくある展開だったが個々のキャラたちが見せる
個性とその描写には目を見張るものがある(特に大森南朋のキレ芸や光石研の小市民役ぶりには拍手)。
市井の人間たち(特にチンピラの凄み方や脅し文句)のリアルさや臼多あさみの何処にも行き場が無い鬱屈さを言葉少なさに魅せる演技にも監督の演出力の高さがうかがえる。
まあ欠点と言えば物語の所々が唐突すぎて正直微妙にずれているような齟齬感が生じ色々消化不良にもなりかねない(むしろそれが狙いか?)、
その点で説明描写や回想(いわゆるバックストーリー)のさわりの徹底した削除、封印が少し裏目に出ているような気もする、大衆受けを微妙に突き放すラストもしかり、かなり観るものを選ぶ作品だと思わざるを得ない。
だが決して共感が出来ないとは思わない、この作品のなかに描かれている都会の孤独、理想とかけ離れすぎる人生と思い通りにならなさ過ぎる自分と現実、
どんなに必死にもがいても行き止まりは行き止まりの現状、自分の中の一番大切な物まで捨てないと生きれない人生の不条理など全ては大げさでもなく芝居じみてもなく等身大のストレートな苦悩だ。
大森が劇中で叫ぶ「意地を売るほど俺はイモじゃねぇっ!!」はまさに利口になれない不器用な人間のむき出しの独白といえるだろう。
監督自身が「先が全く見えない時に舞い込んだチャンスだった」と懐述しているのもそんな苦悩や葛藤から生み出された掛け値なしの台詞に違いない。
そう考えると放り投げられるようなラストもまた答えの見つからない現代に比例した顛末なのかと思う。
アンフェア the answer DVDスタンダード・エディション
ネット上では本作品の酷評がありますが、何度も繰り返し観ると
どんどん味が出る作品となっており、リピート鑑賞に耐える内容です。
エンドテロップ突入前に、怒涛の伏線回収映像が用意されてあるため、
是か非でも2回目をリピート鑑賞せずにいられなくなると思います。
国家機密の入ったUSBメモリーの行方を追う推理を観客ができる
仕様となっているため、ハッキリとした描写こそありませんが、
想像で楽しめる余地を残してある作品なので、そこが良かったですね!
5人目の磔にされた被害女性が空気だったり、香川照之のIT技術力が
神がかっていたりと変な部分もありますが、ラストではテーマにもある
「アンフェアにはアンフェアを」の言葉通り、篠原涼子が悪党どもを
逆に騙し返してギャフンと言わせるカタルシスが用意されているため、
非常に気持ちよく映画を見終えることができる作りになっています。
ドラマ版も香川照之の作戦が事件解決に繋がっていますが、それは
本作品でも踏襲されており、基本的にドラマ版と重ねてある感じです。
軽蔑 ディレクターズ・カット [DVD]
高良くんと杏ちゃん以外の若い俳優さんが共演していたら・・・とかんがえるとぞっとします。
二人の素晴らしい演技力にひきつけられました!!
とくに電車で別れるシーンの高良くんのショットは凄いですね。素人のわたくしでも鳥肌たちました。
展開はたしかにパパパッと早かったので星5つあげれませんが。
カズと真知子が本当にこの二人なんじゃないかって思えるぐらい主演の二人に感動しました。
映画好きにはぜひ。