女の都 【HDマスター】[Blu-Ray]
「映像の魔術師」フェリーニ。
しかし、彼の真骨頂は、アンチリアリズムになります。
本作品は、「ある手法」(どんでん返し)を使うことで、
お話や映像は、もうやりたい放題。
フェリーニの分身たる中年男性の潜在意識を顕在化、
映像化して、固定観念、社会通年、既成観念から
徹底的に自由に羽ばたきます。
不気味だが、爽快。
恐ろしいけれども、神秘的。
怖いけれども、欲望的、魅力的。
「甘い生活」と並んで、フェリーニ的映画のガジェット
(といっても、小道具レベルをはるかに超える)が満載で、
尻デカ女の登場には、思わず拍手してしまうような、おどろおどろ
しい強迫観念的シュルレアリズム「女性崇拝」的、いがんだリビドーの
傑作。
これらを、好き放題、摩訶不思議な映像と構成で、空想の壁を
突き破って、男は自由の旅に出ます。
これを観ないで死ねるか!的な傑作の一つです。
ニーノ・ロータ映画音楽集
映画音楽というとやはりオリジナルサウンドトラックが珍重される面があるが、この曲集はその期待を裏切らないものだ。
特にオリジナルを大きく変えたようなところはなくほぼオリジナルのスコアに近い状態で再演されている。
たくさんの映画音楽の名曲を生み出したロータ作品の中から、切っても切れない創作上のパートナーだったフェリーニ作品を二本(8 1/2、オーケストラリハーサル)。
同じイタリアを代表するヴィスコンティから二本(若者のすべて、山猫)。
そしてアメリカを舞台としつつもイタリア・シチリアの家族の大河ドラマでもあるコッポラの「ゴッドファーザー」シリーズ。
ロータの名曲集としてたった一枚に収めろというのが無茶な話だが、それでもこの作品集の選曲は絶妙だと言える。
しかも演奏しているのは名指揮者リッカルド・ムーティーにミラノスカラ座。一体何の不満があろうか。