ぼくらの☆ひかりクラブ 下[中学生篇]
退廃や耽美の世界ではいらない子なはずの青春少年タミヤを主人公として成立させちゃう技量に感服。
前作ではゼラの狂気を引き立てる為とか常識の代理として
「普通の良い子」を描いたのかなと思っていたのですが
もちろんその役割は重要だとして、
起きた出来事に対して人間的な反応をするタミヤのお陰で混沌とした物語に筋が通り、
ガロ系と呼ばれる作家が陥りがちな「奇妙なだけ、勢いだけの作品」から逸脱した傑作になってると感じました。
耽美、退廃、猟奇、社会、恋愛、友情、
哲学、青春、笑い、SF、BL…等々
これだけたくさんの要素をひとつの作品に込めて破綻させないって凄い。
映画、小説業界含めてもなかなかいない、本物の天才だと思います。
しごとのはなし
暇つぶし程度に読みましたがかなり面白いです!一気に見る目がかわりました!こんなに頭がいい人なんて知りませんでした!読みながらそんな些細なことに疑問を持てるなんてスゴイ!と感動しっぱなし、そして自分ももっと多くの物に触れ感動できる心をいつまでも持っていたいなと思いました!
ライチ☆光クラブ (f×COMICS)
ライチ光クラブを読んだ時の衝撃は今でも忘れはしません。
最初は絵に惹かれ買ってみたのですが、内容の素晴らしさに驚きました。
少年達とライチと少女の
死の美、純粋な性、儚さの酷が巧いこと混じり合っています。
ぜひライチ光クラブ独特の世界を、いまこれを読んでいるあなたにも味わって頂たい。
絵本マボロシの鳥
わたしの今年のナンバー1の絵本&画集はこれに決定。どの見開きも、まず目にとびこんでくるのは藤城清治さんの美しい影絵。ひとつひとつが名画といって良いクォリティーなのだけれど、絵が止まっていない。絵が生きていて、物語とシンクロしています。
そして絵本用に短く研ぎ澄まされた文章。純度のあがった太田光さんの言葉が、まさに光を放っています。この物語がどれだけ精緻に構成されていて、詩的なイメージに基づいていたのかを実感します。
物語のテーマ「手放すもんか」でこれまでのさまざまな文明が滅びている。この世界はどこかでつながっている。だれかとつながっている。小説と絵本の間に、大震災があったせいでしょうか。深く胸に響いて、涙がでてきました。
家の居間に飾っていたら、小学6年生の息子やオーストリア人の来客(62歳)もかってに読んで、かってに感動していました。
帯に書かれているとおり「奇跡のコラボレーション」でできあがった、後世に残る傑作です。