雲の彼方 オドゥラ・デ・ニュアージュ
ファンに絶賛された『ル・グラン・デューク』に続く日本上陸第二弾。
前半は、空でも恋でもライバルとなったフランス人ピエールとアメリカ人アランの二人の“飛行士”の大空の物語。1933年のアンデス山脈で事故救出から始まり、パリとカリフォルニアのエアレースに破れ、サーカスの曲芸飛行をやめて、ナチドイツとの戦いに自由フランス空軍の一員として参戦したピエールはスピットファイアを駆って、後から参戦したアランはマスタングに乗って戦果を競い合う。そして弾を打ち尽くしてフォッケウルフに追い詰められたアランを救うためにピエールは・・・。登場する航空機は、1930年代はじめ一瞬の光芒を輝かせたフランスの名機コードロンの一族やドイツのビュッカー練習機などなど。(評者は民間機には詳しくはないのでこれくらいでやめておきますが、有名無名の往時の機体を楽しむことができます)。
後半は、著者のデビュー作品「最後の飛翔」5作品。日本、アメリカ、ドイツ、フランス(ソ連も)のそれぞれが独立しているようで実は絡み合う戦場の記録。日本海軍神風特攻隊員を主人公とした短編「桜」は叙情あふれる印象的な作品に仕上がっているのだが・・・指揮官の軍装は赤い襟章で陸軍のもので残念ながら初歩的なミス、零戦のスタイルもやや寸づまりに見えるのは初期作品だからか。
リング (角川ホラー文庫)
映画を観てから原作を読んだ方多いんじゃないかと思いますが、
違う点がかなりあります。
主人公は女性ではありません。
終盤のあの有名な貞子が出てくる場面は
原作にはありません。
本作はホラーですが、その象徴である貞子はほとんど
出てきません。呪いのビデオテープを調べていくうちに
少しづつ山村貞子という人間が浮かび上がってくる。
それだけなのになんでこんなに怖いんでしょう?
読者を不安にさせるなにかがあります。