オペラ・アリア集
廉価版CDだけあり、破格のお値段!しかし、コスト・パフォーマンスは充分で、ドミンゴの世界を堪能できる。
まず、「トロヴァトーレ」。このアリアは、ドミンゴは普段1つ音を下げて歌っている。しかし、このCDでは原調のまま歌っている。という事は・・ドミンゴのハイCを聴けるという事で、これは大変貴重である。滅多に聴けません。
そして、「真珠採り」「マイスタージンガー」。この2曲は膨大なドミンゴのCDの中でも滅多に収録されていない曲である。「マイスタージンガー」は、ワーグナーをメインに歌う歌手以外のアリア集には普段あまり収録されない。ドミンゴのレパートリーの広さを感じさせる1曲である。
「ドン・ジョバンニ」の2重唱は、バリトンとソプラノの重唱であるが、ドミンゴはバリトンのパートを歌っている。テノールがバリトンの役を歌う事はほとんど無いので、これも貴重。
とにかく貴重な、貴重な一枚である。
フォンテーヌブロー
タッド・ダメロン (Tad Dameron 1917年2月21日〜1965年3月8日) は、アメリカ合衆国オハイオ州 クリーヴランド生まれのジャズ・ピアニストおよび作曲家・編曲家。30年代半ばフレディ・ウェブスターのツアーバンド・ピアニストがスタート、その後ビリー・エクスタインやカウント・ペイシーらに譜面を提供したりと作曲家と編曲に力を発揮した。大きな出来事はファッツ・ナヴァロを擁した自己のコンボを率いたり、1949年にマイルス・デイビィス入りのバンドを結成しパリ・シャズ・フェスティヴァルに出演し一般に知るところとなる。「バップ時代を明確にした作編曲家」といわれたが、今ひとつ知名度が低いのは絶頂期の57から60年の監獄生活が原因していると思う。アルバムは1956年の録音で絶妙な編曲をありのまま伝える演奏とされており、ビバップの更なる一歩を試みた味わいのあるロマンチックな演奏である。よく聴くとマイルスの「クールの誕生 (Birth of the Cool)」と共通する、静的にコントロールされた編曲はこのダメロンから相当影響を受けたことが推察できる。
(青木高見)