回帰線
南正人は僕にとって唯一絶対の存在である。彼ほど明確にビジョンを持ち、周りの変化にも全く無頓着に活動しているシンガーは彼しかいない
前に南さんの奥さんに聞いたことがあるが、いまだに年に200回ぐらいのライブを行っているということだ。
このアルバムは南正人の名前は決定的にしたアルバムである。収録されいる曲目はいまだに彼の重要なレパートリーであるし、また日本のフォーク、ロックの勃興期から現在に至るまで最大のアルバムであるといっても過言ではない。
capeta カペタ (11) (KCデラックス)
本気に生きる主人公を描かせたらこの人(曽田正人)の右に出るものはいない。鬼気迫る迫力で、「レースの世界」で生きようとするカペタが生き生きと(少し怖いくらいに)描かれている。舞台は、ついにカートからフォーミュラの世界に。
しかも、この巻は、いいところで終わっている。毎巻そうなんですけど・・・。現在、新刊が待ちどうしい唯一の漫画です。
サル [DVD]
新薬臨床試験にまつわる都市伝説をネタにドキュメンタリー風に撮ったと云うのは分かるけど、「新薬の副作用の恐さを元にしたサスペンス部分」と、「それに対する批判や警鐘というドキュメンタリー部分」、さらに「映画監督を目指す若者の挫折という青春ドラマ」の三つの軸が混在していて、全体として見ると何がメインなのかはっきりしない印象。
特にラストの爽やかな終わり方なんて、完全に青春ドラマで、それまでのサスペンス部分とのギャップがあり過ぎる。また、病院を抜け出してバカ騒ぎしたり、居酒屋のオヤジに追いかけられるシーンなんかはコメディっぽいし、見ている間中、「いったい何が見せたいの?」という違和感が終始付きまとった。
ただ、こういう「治験のアルバイト」と言うシチュエーションは非常にリアルで、自分も一緒にアルバイトとして、その場にいるような臨場感があり、ダラダラとしている展開の割には、それほど飽きずに最後まで見られた。ちょっと出演者同士の掛け合いがサムいのと、前述の通り、テーマが分りにくいのが残念。
本のある生活 ―本活のすすめ
様々な切り口から語られる本の話。それらは、時に厳しく、時に優しく、独特の視点で語られている。
読み終わったあとには、手に取ったこの1冊の本がいかにたくさんの人の手と思惑と時間の中をくぐり抜け、届けられたものなのかを改めて考えさせられた。
もっと欲を言えば対談から読み取れた筆者の思いもあるが、業界人としての知識や経験、業界ならではのエピソードなど、もう一歩、深く踏み込んだ内容を筆者自身の言葉で読みたかったなと思う。これまでの出版業界のあり方や本に関わる人々の考え方などの変革が今後、進んでいくだろうと予感させられるが、その変革の先にもまだまだ本の可能性は無限にあると実感できた。