人造救世主 アドルフ・クローン (角川ホラー文庫)
このシリーズを3作とも読んだが普通程度に面白かった。ただ筆者の作品を初めて読むのであれば、これ以外のもっと面白い作品を、まずお薦めしたい。期待しすぎてがっかりした方が多いかもしれないが、ファンには一応楽しめる出来栄えと考える。
惨劇アルバム (光文社文庫)
おもろかった。
本屋で、たまたま目にした表紙にひかれ、
買うつもりでちょっと立ち読み始めたら、
気がついたら読み終わってました。ひゃはは。
なんなんだ?という導入部。
幸せをかみしめるつもりで何気なく開いたアルバム、
そこにいる幼なじみの顔を見ながら記憶を辿ると、
なぜか自分が死んでゆく、生々しい記憶が。
いやいや自分はここにいるのに、この記憶は何?
母親が自分の記憶の改ざんをしているのではという疑惑にとらわれる。
そうしてまた次の章では。。
とにかく読みやすい。
しかもきちんと1つ1つオチがあり、かつ全部を読み終わると、
最後におおっと大きなオチが。
立ち読みにしては十分、満足した。
買っても良かったな。なんてね。
NOVA 1---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫 お 20-1 書き下ろし日本SFコレクション)
大森望氏の責任編集による日本SF書き下ろしアンソロジー。河出文庫創刊30周年の記念企画ということもあり、とても力が入っていて傑作揃いだ。
その第1巻は、新作10作と昨年の3月に亡くなった伊藤計劃氏の未完の遺作、『屍者の帝国』の全11作。この『屍者の帝国』は早川書房のSFマガジンに掲載されたのを読んだことがあったが、改めて、読み直すと、これはやはり大傑作の予感がする内容。スチームパンクの装いだが、伊藤計劃氏らしく、死というものをメインテーマに置いたもの。これは、誰かが完成させるべき。いや、これは未完のまま、有り得べき小説世界を想像し、楽しむべきものなのか。
その他の10作も、私のお気に入りの、円城塔氏、飛浩隆氏、山本弘氏などが収録され、本当に楽しめるアンソロジーになっている。
特に良かったのは飛浩隆氏の「自生の夢」。語ることにより73人を死に追いやったシリアルキラーとの対話とGoogleを思わせる検索エンジンが支配する世界とで、この時代にしか書けないSFだ。
第2巻もすでに出版され、さらに第3巻ももうすぐ出版されるとのこと。長く続くことを期待したいシリーズだ。
天体の回転について (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
あまりSFに素養のない初心者でも楽しく読める「わかりやすいSF」
8編の中で当たり外れは多少あるが全体的には楽しく読めた。
個人的には「300万」が好感触。
表紙のアニメ絵はファン層が被るか少し疑問。購買者を減らしている
気がしてならない。