塀の中の運動会
途中までは、
「刑務所内の生活って、こんなもんだろうな」
と思いながら読んでいました。
陰湿ないじめ、嫌がらせ、強きに媚び、弱者を蹂躙するいやらしい世界。
ヘタレな主人公が、自らを省みることもせず、ここで腐っていくのなら、それも自業自得か、などと思ったりもするのですが、この刑務所の名物男が出現するあたりから、物語の流れががらりと変わっていくのです。
そして、塀の中とは思えない、まさかの展開に手に汗握り最後は拍手喝采、エールまで送っている自分に気がついたのでした。
ただ、単なる娯楽作品、ユーモア小説ではないのだということを、処々で痛切に感じるのです。
そして表現されている現実は、刑務所内に留まらず、外の社会においても問題として提起すべきではないか、と思われる内容が多々ありました。
「辛抱仮釈」
この四文字。
読了したとき、なぜか以前からあった四字熟語のように感じたのは、どうしてでしょうか。
そして現在、外の社会、この辛抱という二文字がどれだけ風化していることか、思い知らされたのでした。
塀の中の中学校 [DVD]
今は亡き「大滝秀治」さんの演技に感服
教師役のジョーに向かっての
手錠の姿での敬礼する姿・演技に「役者」の真髄を
見たような気がしました。ただただ涙、涙。
素晴らしい役者たちが各々素晴らしい演技をし、
大変素晴らしいドラマだと思います。
TBSよ、ワイドショーとかバラエティーをダラダラと
公共電波を垂れ流し状態にしてないで、
たまにはこういうドラマお願いだから創ってください。
昔は「私は貝になりたい」から始まった
「ドラマのTBS」と言われた時代を蘇えらせてください!
キエール コケ・カビ 400ml
半年くらい放置しても健在だった家の外壁の緑苔がきれいに消えました。
処理後さらに半年経ちましたが、いまのところ苔の再発はありません。
風のある日に使い、うっかり顔にでも霧がかると、とても痛かったので、
防御はしっかりされて使うことをお勧めします。
刑務所の中
趣味のモデルガン収集が高じてしまい、改造銃等を山林で試射したことが発覚、94年12月銃刀法違反で北海道警察に逮捕、裁判で執行猶予なしの実刑をくらってしまった花輪和一が刑務所の日常生活をマンガで綴った作品。単行本は00年青林工藝舎から刊行された。
とにかく淡々としている。反省だとか厳しい獄中生活といったことは何も描かれていない。日常生活の中の些細なこととそれに対する自身の心情ばかりが描かれている。読んでいて脱力感を覚えてしまいそうになるが、この脱力感が妙に心地よい。何度読んでもおもしろいマンガだ。
他の受刑者だけではなく、著者自身も観察される側として登場する第三者の視点、いわゆる神の視点で描かれた観察日記(しかも絵日記)のようにも読める。主語が「わたし」で描かれているはずの「私マンガ」なのに、そのわたし自身も観察されているというおもしろさ。この題材でなかなかそんな風に淡々と描けるものではないと思う。
花輪和一の描く絵は好みではないのだが、この作品は彼自身の持つパーソナリティ、そしてこの絵がなければ成り立たないと思う。
解説の呉智英氏が書いているように、刑務所内でスケッチが許されるわけもないので、すべてが記憶によって描かれているが、本当に細密に描かれている。記憶力がすごい。よくそんな細かいことまで覚えているなと感心してしまう。漫画家の本能なのかもしれない。