ウェルカム・トゥ・ヘヴン
2000年リリース・・・外部ライターを起用して制作されている(単独クレジットがない!)、とってもASIA的なアルバム(笑)。わかる方であればジムヴァランス・ジムピートリック(サヴァイヴァー)等のクレジットを見て、サウンドのイメージが出来ると思います。前作「アークエンジェル」のダークさに比べるとかなりポジティヴな内容で、「ほっとする」(笑)仕上がりになっています。アルバムの位置づけとしては、「ヴォイスメイル」「アークエンジェル」「ウェルカムトゥヘヴン」の3枚で完成するコンセプトアルバムとの事・・・ライナーより(笑)。アート展のBGM風5曲目「E−SCAPE」は、ロバートフリップ・イアンマグドナルド参加・・・このアルバムの中では異色の1曲。10曲目はリンゴスター(!)との共作で、スティーヴハケット参加・・・とは言えブルーズハープなので、音はわかりますね(笑)。サウンドは一般受けしますが(笑)、ジョンウェットンのコアなファン向けになるのかなあ・・・UKZに合流して欲しい、なんて(笑)。
Back Against THE WALL ~PINK FLOYD Tribute Album~
オリジナル、THE WALL LIVE、LIVE IN BERLINに続いての4枚目の『THE WALL』です。世にトリビュートアルバムは数あれど、アルバムその物に対するトリビュートというのは珍しいのではないでしょうか。それだけ『THE WALL』というアルバムへのリスペクトを多くのミュージシャンが抱いているのでしょう。参加したメンバーの名前にそれが如実に表れています。キース・エマーソン/スティーブ・ハウ/リック・ウエイクマン/スティーブ・ルカサー/スティーブ・ポーカロ等々。更に、『コンフォタブリー・ナム』のようにオリジナルよりも良いのでは? と思えるような楽曲も中にはありますが、アレンジもSEもオリジナルに忠実だということが完成度の高さを表していると思います。26年の時を経て録音されたものですから、当然、音質は良好です。が、『ザ・ハピエスト・デイズ・オブ・アワ・ライヴズ』と『アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール(パート'U)の繋がりだけは何とかならなかったのかと……。ELPも真っ青のぶっ飛びもんです。それでも、良い作品であることは間違いありません。購入してから、ほぼ毎日のように聞いています。
Raised in Captivity
ハードロックっぽいWETTONは聴きたいものの一つです。これに大人の落ち着いた雰囲気が合わさってとても素敵です!Palmer-Jamesとのコンビ曲はもはや微笑ましささえ感じます。常に新しい音楽を創りあげていくWETTONの才能と姿勢にはただただ感心し、聴き惚れるばかりです。ボーナストラックは欧米向きの曲(日本版は絆を感じさせる曲)を選んだのでしょうか。最後のデュエット曲に関しては、宗教的な実感の湧かない私には「そんなに深刻ならなくても…」という感想になってしまいます。その一つ前の曲はシンプルで真っ先に覚えちゃいました。
アルティメット・ゼロ・ツアー-ライヴ(Ultimate Zero Tour-Live)
演奏自体は多くの方が書かれている通りすばらしい、且つ貴重なものだと思います。「Red」「One More Red Nightmare」「The Only Thing She Needs」などは聴いていて胸踊るものがあるし、Eddieのプレイ、Wettonの声もUK時代を思い起こさせてくれます(他のメンバーのプレイもすばらしい)。また、日本公演では演奏されなかった「Awakening」(Mahavishnu Orchestra)も圧巻の凄い出来。
しかし、どうにも音が悪い。ステレオですが、オーディエンス録音かと思われるほど音像がぼやけていて、遠い(特にドラムとボーカル)。MCも聞き取りづらい。どなたかもおっしゃっていましたが、上程度の海賊盤並です。とてもここ最近に録られたものとは思えません。30年前に録音された『Night After Night』の方がずっといい。
海賊盤ならばあきらめもつきますが、Eddieがミックス・マスタリングした正規盤なのであればちょっと納得がいきません。また、もしオフィシャルブートレッグ扱いなのであればそれなりの価格設定をすべきだとも思います。
音さえよければ文句なく名盤であったのに全くもって残念。