幕末会津の女たち、男たち 山本八重よ銃をとれ
本書は戊辰戦争・会津戦争の通史ではなく、著者が断片的に「オール讀物」「歴史通」などに執筆したものの再編集ものです。
戊辰戦争・会津戦争の「知られざる真実に迫る」内容ですので、戊辰戦争や会津藩に関してある程度知識がある人向けです。
会津藩の生い立ち、幕末における会津藩の苦悩、戊辰戦争の真実、白虎隊の悲劇から鶴ヶ城籠城戦・降伏・開城、斗南への移住、明治時代における会津人の功績などをひと通り理解していないと、本書を読んでもさっぱりわからないと思いますし、読破するのは不可能と言っても過言ではないと思います。
逆にこれらの知識がある程度持っており興味のある方なら「歴史の裏側」を知ることができますので、面白いのではないでしょうか。
私自身もある程度戊辰戦争に関する知識はありましたが「そうだったの???」と思う内容も多くありました。
2013年の大河ドラマ「八重の桜」でクローズアップされていますが、「大河ドラマの予習として山本八重を知りたい」と考えている方は、別のガイドブック的な書籍を購入した方が賢明だと思います。本書はビギナーには難しすぎます。
二つの山河 (文春文庫)
会津人・松江豊寿といふ偉大な人格が、ドイツ人捕虜たちに与へた感化力のほどが実に見事に活写されてゐて感動しました。特に捕虜たちの帰国に際しての松江の挨拶と、それに応じた捕虜代表・マイスナーの答辞は、国境を越えた高貴な魂の触れ合ひと人間の奥深さを物語つて余すところがありません。すばらしい作品です。