サル [DVD]
多額の報酬に浮かれ、意気揚々と病院に乗り込む5人の青年。
都市伝説的な題材に惹かれたのですが、それだけにとても惜しいと思える作品でした。
密閉された空間で募る不信感、人間の弱さ、恐さを描ききれば、もっと面白くなったと思います。
街の灯
ずっと前、加川良の「2[tu':]」というアルバムの「胸にあふれるこの想い」という曲を聴いていた時のこと。
歌詞カードを見ると、作詞のところには「エド」という名前がクレジットされていた。
それは聞いたこともない名前だったが、詩の世界観はとてもユニークで、素晴しいものがあった。
やがて時が経ち、今は「エド」の「街の灯」の「胸にあふれるこの想い」を聴いている。
なぜこんな歌い手が、一度も日の目を見ることがないまま死んでいったのか、理解に苦しむ。
もしもあなたが音楽ファンであるならば、このアルバムを手に取ってほしい。
そして、「エド」の生き様を聴いてほしい。
本のある生活 ―本活のすすめ
本の出版流通界で、18歳から生きている財津正人氏の「本」への熱い思いが伝わってきます。
「街角の本屋さん」の減少は、何を意味しているのでしょうか。
出版の流通で、入荷、返品、支払、返品相殺の仕組みなど、具体的な書店経営の裏側を知ることができました。
対面販売のリアル書店と、ネット書店「アマゾン」の比較から書店のあり方が問われてもいます。
p133 日米の出版界の違い
p135 とめどなく対面から遠ざかるリアル書店の愚
p136 限りなく優良リアル書店に近づいてくるアマゾン戦略
p139 書店の万引きは本当に深刻なのだ
p170 電子書籍はどこまで紙の本と置き換わるのか
それぞれの課題に関心のある読者には、著者と対話するような問題意識で、この本を読むことができます。
アマゾンの魅力の一つ、アウトプットの部分「レビュー」を取り入れた魅力が大きい。
本のある日常生活を楽しむ読者として、これからの方向性を考える参考になります。
南極料理人 [DVD]
西村くんが、あれだけ精魂込めて作った豪華な料理に誰一人として、
「うまい!おいしい!」と言いません。
感謝の言葉もありません。
そうか、ためといて、最後に言うんだなぁって思いましたが、
待望のラーメンにも言わず、結局最後まで誰も発しませんでしたね。
と思ったら、ホントの最後に西村くんがハンバーガーに「うまい!」
この監督、演出が実に上手いんですよ!!
そこで、自分自身をふり返ってみると、ボク自身も家庭で言ってませんでした。
この作品、演劇的な演出をすることなく、男の日常を淡々と描いています。
オナラやウンコの話も、この作品では抵抗なく受け入れられました。
その変化の無い日常こそが、自分に同化し、クスッと笑いの連続で楽しめました。
また、様々な小ネタの連続がツボにはまっちゃいましたよ、ボクも。
南極で、生きるか死ぬかのアドベンチャーがあるわけでも、
事件が起こるわけでもありません。
ひたすら食べることだけを楽しみに1年間が過ぎるのを待つ男たちのお話です。
テーマが「食」で、人間誰しも経験ある小市民な出来事が展開するので、
大いに共感して観ることが出来ました。
「心はエビフライだからね」、伊勢エビフライに大爆笑!!
ラーメンのエピソードは、日本人なら誰もが実感するおもしろさです。
正しく、日本癒し系ムービーの最高傑作。
子どものような男たちの愉快で真面目な表情と、
豪華な南極食生活を何度でも観たくなる、超おもしろい作品です!!