証言! 日本のロック70’s ニューロック/ハードロック/プログレッシヴロック編 (単行本)
70年代に日本のロックの当事者達が証言する、時代の検証本。音楽性というより当時の音楽シーンや風俗を当事者が行ったトークショウを文章化したものであり、当時の雰囲気はつかみ取れます。でも全ては理解できません。当然言及不足のある部分があることも否めません。でもPANTAの証言や山本恭司・岡井大二の話は当然興味深いものであります。
70年代日本ロックシーンの全体像を掴みたい方にはオススメの本です。
竹千代を盗め (講談社文庫)
著者は歴史を動かす英雄または権力者ではなく,彼らに支配される人々の視点で描き続けている。
この作品は松平元康から今川に人質になっている竹千代(後の信康)を取り返すことを依頼された,甲賀の上忍を主人公としている。あまり有能ではない下忍を動かし,甲賀忍者の立場または視点で物語が進むのは,作者の得意とするところである。
新感覚と言うようにテンポ良く話が進むので,すぐに読み終えてしまった。しかし,軽快さのあまり,まるで大会社から企画を頼まれたイベント会社を描いているようであり,題材のおもしろさが生かしきれていないように思えた。
さらに,竹千代を奪還する方法も忍者が関わる必然性が無いものであり,話の展開にも無理が感じられた。もっと,長い物語としてじっくり書いても良かったのではなかろうか。