アリア・ギャランテ~釜洞祐子オペラ・アリアの世界
始めて釜洞さんのアリアを聴かせてもらいました。日本人でこんなに自由に歌で表現できる人がかつて居たでしょうか!?この素晴らしいテクニック!! そして歌を自由に歌えるという事の素晴らしさを教えてくれるアルバムです。
ワルツ&アリア集
リタ・シュトライヒの高速ビブラートで歌われる「夏の名残りのばら」がオススメです。色彩に例えると青色。私のソプラノの評価は色彩感なのだが、その最高が香るような青。Summerがゾンメルと聴こえるのがゲルマン退廃芸術っぽくて、妖しい美しさを感じさせます。
ヴォカリーズ
完璧で言葉を失うほどです。
声楽に超絶技巧という表現はふさわしくないかもしれないが、
このアルバムはナタリーさんの超絶技巧又は超越した歌唱力と表現力に裏打ちされた
完璧な美の表現と言えるでしょう。
技巧に耳を奪われがちだが、声のトーンも曲に応じて変化している。
ワルツ<春の声>作品410では最も若々しく明るくなっている。
最も自由闊達で親しみやすく可愛い歌い方で一番気に入っています。豊かな表現力です。
ベルリン交響楽団の演奏もしっかりソプラノをサポートしていて一体感がある。
レコーディングバランスも音質もすごくいい。星5つでは足りない。
音楽のジャンルを超えて多くの人に聴いてもらいたいアルバムです。
ムソルグスキー:展覧会の絵
久しぶりに有森博のアルバムを聴く事ができた。
今回は大曲であるムソルグスキーの展覧会の絵を中心に、ロシアの作曲家の小品が集められた作り手の思慮深さをうかがえる構成となっている。
有森の表現は実に逞しい。
ムソルグスキーの作品には、ホロヴィッツ、アシュケナージをはじめ名演に事欠かないが、有森の録音はその中でなお存在感を示せる質の高さがあり、かつ個性的である。
本演奏の第一の特徴はピアノの音色そのものである。
いかにも一本芯の通った、重さを感じさせながらも和音の響きは熟慮されている。
そもそもムソルグスキーが題材としたハルトマンの絵画は風刺的で、社会性に富んだ内容を持っていた。
それを踏まえ、当時の芸術家が蓄えたエネルギーを慎重に解釈して解法していく作業を有森はここで行なっている。
そうして聴かれる演奏は、ダイナミックで美しいが、どこか暗さを常に秘めている。
もう一つ。
このアルバムを通して聴くと、そこになぜかフレデリック・ショパンの面影が浮かぶのだ。
ショパンはポーランドの作曲家だが、パン・スラヴ主義的にはロシアの音楽家とも言えるし、ショパンの功績はどこよりも強くロシアで引き継がれていく。
ここに収められたあまたの魅力的なロシア小品は、いずれもショパンの影響を感じさせるのだ。
こうなると、ぜひ有森には満を持してショパンにも取り組んでもらいたいと思う。