プリズムペーパーバックス No.009 週刊ラサーン 《ローランド・カークの謎》
こんなマニアックな特集があって良いのか!と驚き、嬉しくなってしまいます。
そう言う意味では貴重な本であり、「この本を出した」と言うだけで既に評価に値します。
内容的には、「カークに関するデータ(アルバム、楽器、メンバーetc)を出来る限り集め、それを体系的に整理した本」と言う印象です。
多分、著者としては、「〜を体系的に整理した結果、そこから見えて来る事象を通じて、カークの姿を浮き彫りにする」と言うのが狙いなんでしょうが、正直、「そこから見えて来るもの」については、いささか食い足りない感じです。
ただ、もの凄く熱意と根気をもってデータの収集解析を行ってるのは伝わって来るので、その点は買いたいですね。
Mingus at Carnegie Hall
74年のライブ盤。バンドリーダーとして、いつもは強力な支配力を発揮するミンガスが、サポートに徹した熱すぎるジャム。
何せメンバーが、ローランド・カークにジョン・ハンディ、ジョージ・アダムス、チャールス・マクファーソン、ジョン・ファディス、ドン・プーレン、ダニー・リッチモンドだ。特にカークは珍しくワンホーンのみで、彼の演奏でもベストのひとつといえる熱演。他の面々も熱いソロを取っている。
驚きはソロがないミンガスのベースだが、これが地を揺るがすような、腹の底から響くような、あのミンガス・ベースラインでメンバーをサポート。これが実に気持ちいい。ミンガスほど、聴いていて心地よく昂ぶるベースはないと思うのだが、どんなものだろう。
何はともあれ、ジャズメンたちの熱気がそのまま伝わるような超名盤。ミンガスのメッセージ性やバンドリーダーとは違った魅力が全開である。
溢れ出る涙(+1)
魂のこもった音楽だと感じる。聴くときは、BGMとしてよりも、真剣に聴くことにしている。何度聴いても深く、汲みつくせぬアルバムである。
ホーンを2本くわえているジャケット写真ではあるが、このアルバムでは、そうした曲芸的なエンターテイメントよりは、Roland Kirkの”ワンホーンカルテット”として、彼の肉声を聴く趣が強い。
彼の魂の肉声を直接に聴いているような気持ちになる。喜怒哀楽、すべての感情が、ホーンを通して響いてくる。圧倒的なヴォリュームの感情が押し寄せてくる。彼の中に、喜怒哀楽、様々な感情がぎっしりと詰まり、溢れかけているのではないかな。それが、音楽作品として出てきているように感じる。
タイトルとなっている曲を聴くと、やはり、真剣に聴いてしまう。「哀」の感情が強く出た曲だが、頭の中に響いてくる。Roland Kirkを思い出した時、真っ先に頭の中に出てくるのはこの曲だ。真剣に音楽を聴いてみたい方に勧めたい。
SUPERSHOW THE LAST GREAT SIXTIES MUSICAL EVENT [DVD]
長らくVHSや、不満足な海外の怪しいDVD盤でしか、見ることの出来なかった稀少盤(現在廃盤)です。
1969年当時のロンドン郊外のライブ・ファクトリー「ライノリウム」で2日間行われた
ライブ映像が収録されております。
VHS盤などでの残念な品質(画像、音声)に嘆いておりましたが、こちらのDVD盤の改善された
素晴らしさに驚嘆せざるをえません!
Volunteered Slavery
このアルバムについてはもう今更あれこれいう必要は無いでしょう。
とても星5つじゃ足りないアルバム。
どうしても好きになれない人はスムース・ジャズでも聴いていてください。