Across America [DVD] [Import]
以前NHKのHi-Visionで見たけど、もっと画質がよかった。このDVDなんか圧縮しすぎみたい。1時間程度なんだから、もっとなんとかなったんじゃないのかなあ。音声もPCMでもLPCMでもない5.1chドルビーだけ。リージョンフリーでプロテクトキーもないし。まっ、この価格だからいいでしょう。画質さえよかったら間違いなく☆5つ。
イマージュ3 [トロワ]
イマージュは1~3まで持ってますが、1、2と比べると3は小粒だったような気がします。でも「ムーンライト・シャドウ」をとても気に入ったので星は4つにしておきました。
「イマージュ」や「フィール」のいいところは、毎回必ず一曲は自分の気に入る曲があるというところと、プラス、マイナスに関わらず、そのときの気持ちをリセットしてくれるところです。落ち込んでいる時やパーティーの中盤戦、それと「なんかいい曲ないかなぁ~」といつもCD屋をブラついて結局帰ってきてしまう方、いかがでしょうか。
キャッチ22 [DVD]
キャッチ22とは暗黙の軍隊規律。「精神異常者は兵役を免除する。しかし、自ら精神異常者と分かる者は正常だから対象にならない。」数々の理不尽な規則を突き付けられながらヨサリアン(アーキン)は、軍隊生活の中で戦争の矛盾を体験する。人間性を失う生活の中、現実と白昼夢が交差し、過去と現在、また希望さえも見失っていくのか・・・。驚くほど豪華な出演者たちが個性的な「異常者」を面白可笑しく演じます。昨今の戦争映画のようなアクション重視ではなく、戦場という特殊環境の中で人間性とは何かをブラックユーモアを通して追求します。プロットが複雑で難解に感じることがありますが、その意味でも画期的な、アメリカン・ニューシネマの代表的作品です。
Singer
ポールの「Songwriter」に触発されたか、アーティのベストはズバリ「Singer」ときた。このタイトルが似合う人なんてほんの一握りだろうが、50年の長きに渡るキャリアを見事に捉えた、まさに至福の34曲。ベスト盤って個々の思い入れもあって、誰がどんな基準で選んでも、それがたとえ本人の選曲であろうとも「あれがない、これがない」となるもんだが、このベストは凄いね!ポールのそれが、ややもするとコアなファン向けという感じもあっただけに、こちらは本人の選曲が冴える、アーティ初心者からコア・ファンまで納得・満足の出来栄えではないだろうか。
超絶ハイトーンでブイブイ言わせていたS&G時代から、力強さに洒脱さと艶をも纏った中期作品(「シザーズ・カット」の頃まで)、寄る年波と老いを真正面から受け止め、消え入るようなハスキーボイスさえをも味わいに昇華させた晩年と、その時々の素晴らしい作品からチョイスされた楽曲群なれど、時代順ではなくシャッフルされた曲を聴いても、何らの違和感も時間差も感じさせないタイムレスな作品に仕上がっていて、う〜ん、いやはやお見事の一言なんである。
S&G時代の作品も「エミリー」は"S&Gグレイテストヒット"で披露された、あの絶唱ライブ版だったり、ポールがその英国習作時代に思いを馳せた女性に向けて書いたであろう「キャシー」も21世紀再結成版、そう、アーティが妻に捧げると言って独唱するバージョン。かと思えば「4月になれば彼女は」を、"故 L・バードに捧げる"なんてライナーに書いちゃうのを見るにつけ、どこまでも愛に生きるロマンティストなんだよなぁと…(苦笑)。ポールが最新ソロライブ版を披露した「サウンド・オブ・サイレンス」では、アーティはデビュー当時の「水曜の朝、午前3時」バージョンとしたところなんかも、2人の趣味嗜好の違いが伺えるし、「マイ・リトル・タウン」をアーティが選曲したところも興味は尽きないね。
ソロの代表曲もほぼ全て網羅されているし、「Animal Xmas」「Up Till Now」といったコアな作品からもしっかり収録。自信の表れか、全般的に"ライブ・バージョン"が多い印象も。加えて最近活動を共にする機会の多いM・シャープのペンからなる新曲2曲がこれまた極上の一品で(最近の録音なのか、アウトテイクなのか定かでないが)、他の名曲群に負けていないところも素晴らしい。
そうそう、各曲ごとにアーティのコメント付なんだが、これがまた"詩的"で"哲学的"な文章でして、もっと詩作面で頑張ってもよかったんではと思わせるに充分なんだが、イヤイヤ、やはり彼は「シンガー」、それも半分は「こだま(echo)」らしいですから(笑)、これでいいんですよ!
※ポールとアーティが別々に選曲すると「早く家に帰りたい」「ロビンソン」「コンドル」「アメリカ」なんがかオミットされちゃうんだねぇ…。
シザーズ・カット~北風のラストレター(紙ジャケット仕様)
アート・ガーファンクルのアルバムの多くを後追いで聴いた私にとって、このアルバムは、ソロ第1作『天使の歌声』とともに近所の図書館からLPを借りてきた、ガーファンクルのソロ作中最初に聴いた2枚のうちの一つだ。それをきっかけにガーファンクルのソロを次から次へと聴くことになったのであり、このアルバム自体も今に至るまでお気に入りの1枚となっている。
そのときに聴いたのは、今回リイシューされたものと同じ曲順であった。この曲順は、このアルバムが出た当時日本盤はUK盤と同じ曲順となっていたためで、US盤では「ロマンス」が外されて「ブライト・アイズ」(UKでシングル・ヒットした『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』という映画の主題歌でUK盤および今回のリイシューでは『フェイト・フォア・ブレックファスト』に収録)が入れられていたわけだが、自分の頭に刷り込まれているのはこの曲順なので、そのとおりにリイシューされたのは嬉しい。このアルバムの曲はほとんど全て独特の雰囲気があるので、これのために製作されたわけではない曲がねじ込まれるのはあまり好ましくない。
このアルバムは、朝からずっと静かに雨の降る一日に聴きたくなるような、静かで穏やかでウェットな美しさをたたえた曲の数々で構成されている。これは、厳かな顔をしたガーファンクルの白黒写真のジャケットとあえて顔を映していない女性の写真の裏ジャケットと同様、当時の恋人ローリー・バード(今回同時に発売された2枚組ベスト『ザ・シンガー』に収録されたS&Gナンバー「四月になれば彼女は」に寄せたガーファンクル自身のコメントでただ一言“Dedicated to Laurie Bird”と書かれている女性で、アルバム『ウォーターマーク』のジャケット写真を撮った写真家でもあった)の自殺が色濃く影を落としているためだろう。このアルバム自体も、ローリー・バードに捧げられている。比喩的な意味でも、まさに人生の「雨の日」の音楽でもあるのだ。
だが、その中で1曲だけ少々場違いな感じのする曲がある。唯一比較的アップ・テンポでポップな「北風のラストレター」(“Hang On In”)だ。私は、初めてこのアルバムを聴いたときにはこの曲をとても気に入ったのだが、このアルバム全体を好きになるにつれ、むしろないほうがよいのではないかという感じを抱くようになった。曲自体が悪いわけではない。全体の雰囲気にいまいち合わないのだ。試しにこれを外して聴いてみると、アルバムの統一感が増して、その静かで穏やかでウェットな美しさにどっぷりと浸って聴き入ってしまう。今回のリイシューでは新しい解説がつけられていてその中に言及がないので確認できないのだが、たしか以前の解説では、この「北風のラストレター」は、ヒットしそうな曲がなかったのでレコード会社の意向で人気の出そうな曲を加えろということになって加えられたというようなことが書いてあったように思う。だが、アルバム全体のことを考えたら、この曲はシングルのみの発売にしてアルバムには入れない方が良かったのではないかと思う。
ともあれ、このアルバムは素晴らしい。ほんの一部分だけとはいえサイモンとのデュエットが聴ける美しい曲「美しき若葉の頃」(“In Cars”)などもあるもののアルバムとしてはヒットしなかったようだが、個人的にはおそらくガーファンクルのソロ・アルバム中でこれまでに最も多くの回数聴いた作品だ。今回、2012年最新リマスター+紙ジャケ(写真が美しい)+高音質Blu-spec盤として、さらに当時のLPの内袋や発売当時の日本盤につけられていた帯も再現した形でリイシューされたのは嬉しいかぎりだ。