さびしんぼう [DVD]
「お~い、さびしんぼう。」このフレ-ズがすごく好きです。なんだか監督が観るもの一人一人にやさしく呼び掛けているような気がするのです。3部作中最も愛された作品と監督自身が言っておられますが、パブリックに受けるというよりは好きな人個人個人にとっての「大切度」みたいなものは一番大きい作品だと思います。全編を通して流れるショパンの「別れの曲」とともに何時の間にか映画に溶け込み尾道の路地を歩いているのです。前半のドタバタと後半の切ないシーンが続くコントラストも見事で、父とのお風呂のシーン、百合子に会いに行く、彼女の辛い現実に耐えるもう一つの横顔を知ったヒロキ、激しく降り出す2月の雨、冷たい雨の中でヒロキを待つさびしんんぼう。スクリーンの前で私もズブ濡れになっていました。
ラストはけっして断定はしていない。みるものに判断を委ねようという意図に思えます。答えはこの映画を観終わった時の幸福感の中にあります。
ムー一族 DVD-BOX 1
何か権利関係が発生してるんでしょうか?
何故「ムー」より先に「ムー一族」なんでしょう。
まずは「ムー」から観ておかないと
「ムー一族」の面白味は半減すると思う。
まぁ、DVD化に関しては嬉しいですが、
なるべく早めに前作の「ムー」のDVD化を望みます。
夢千代日記 [DVD]
やっぱり新・夢千代日記のほうが良いと言うか完成度は最高で新・夢千代日記だけで泣きすぎて充分です。
余部の鉄橋を過ぎて浜坂駅で下車し名物蟹寿司(米田茶店,今はコンビになっています、要注文)を買ってからバスで40分の旧温泉町。皆さんはご存知無いと思いますがこの作品の舞台は北近畿(兵庫)から鳥取(因幡)にかけてのある意味「知られぬ日本の面影」とも言える限られた地域でこの作品で初めて兵庫県が日本海に面している事を発見された方は多いのだと思いますが話されている言葉は神戸あたりの言葉とは全く違い限りなく鳥取弁に近い北近畿弁です。夢千代が何回も言う「山陰の空は鉛色」という言葉は私には重すぎます。 夢千代の母親の親友である渡辺玉子(鈴木光枝)が淡々と語る「ピカドン(広島の原爆)」に絡む「広島菜」の逸話は真実で全夢千代シーンの中で一番心をブチ抜かれました。 このシーンを観て涙が出ない人は皆無だと思います。何回も何回も夢千代達芸者が歌って踊る「貝殻節」は古くから鳥取県の旧青谷町、旧泊村,浜村町あたりで歌われている悲しい悲しい歌です。墓に一緒に入れてもらうのだったらという意味では夢千代日記は酷で耐えられません。でも人生で最後に観たいのは夢千代日記と砂の器だけです。
泣くのは嫌だけど。
鈴木清順監督 浪漫三部作 ブルーレイBOX(Blu-ray Disc)
『ツィゴイネルワイゼン』…
初見は20年以上前だろうか?。当時洋画ばかり観ていた私が意識して邦画を観た始めての映画だったように思う。その時のメディアはVHS。
筋はちっともわからないのに不思議なオーラの酔わされ、以来LD、DVD、とメディアを変えて楽しんできた。
(残念なことに銀幕では観たことないのだ…涙) それがとうとうブルーレイである…。感慨深い。
当然購入し、鑑賞。やはり三本とももの凄く楽しい。幸せである…。
わたしにとってこの映画は‘原点’とでもいえるもので、いまでも冷静に分析したりできない。…ひたすら好きである。
(もちろん『陽炎座』も『夢ニ』も同様)
といったわけで、作品自体の評価は★10個でも足りない。
さて、
せっかくのブルーレイ。やはり画質の向上が気になるので早速手持ちの『デラックス版』三本と比較。
まず『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』は画質向上がはっきりと感じられる。
服、表情、皮膚の質感等々、細部がかなり見えており違いははっきり。画面のガタツキや小さなゴミ等も取り除かれかなり良い感じである。
…また、若干色味も違う感じである。(これに関してはデラックス版のやや青が強い色味のほうが私は好みである)
『夢二』については大きな変化はないが、やはり細部はよく見えている。
色味に関しては今回のHDリマスターの監修が藤澤順一氏(『夢二』『カポネ大いに泣く』のカメラ)であることも影響しているかもしれない。
といったわけで、画質の改善と色味の変化は確認できたが、何しろ古い映画であるので劇的な変化とまではいかない。
(この変化はブルーレイによる改善なのかHDリマスターによる改善なのか正直よくわからない)
ソフトの仕様については、簡素そのもの。
封入物はポストカード三枚程度。しっかりとした造り・デザインの外箱はなかなか良好なのだが、各ソフトのジャケットデザインは(…基本的には悪くないのだが)正直に言って「また、この写真かぁ」といった感じだ。新しいデザインを採用して欲しかった。
映像特典も予告編と静止画ギャラリー程度。他の方が指摘されてるようにチョッと寂しい。
(『デラックス版』は特典が豊富だし裏話満載の製作荒戸源次郎によるコメンタリーが楽しい)
そんなわけで★を一つ減らしました。
といったわけで、商品としては若干詰めが甘いと思いますが、画質の改善等は確認できましたし、なにより清順監督作初のブルーレイでもあるのでファンの方にはお勧めできるのではないでしょうか。
つる [DVD]
子供の頃から「約束」は契約書のない契約とまでは固く教えられないまでも、「約束」の
大事さはどんな子供でも教えられたはず。その「約束」の大切さをこの映画では教えてくれ
ている。傷を負った鶴は助けられた貧しい農夫のもとへ嫁ぐ決意をして訪れる。
鶴は助けられたお礼にと純白の布を織り上げる(自分の白い羽で・・・)
布は高く売れて農夫は歳老いた母親と大喜びするが、買ってくれた役人の再度の要望を受け
断りきれずに、鶴へ純白の布を織るように言うが・・・
鶴から織り場内部を絶対に見てはならないとの約束を交わすも・・・
どぅしても見たくて織り場を覗いてしまう・・・^^:
ラストはDVDをお買い上げ頂いてからごゆっくりとお楽しみ下さい。
現代社会に於いては[個人情報保護法]他で色々と規制はされていますが、せめてもの契約と
までいかない約束は守りたいものです。
大人も見るべきですが、子供には是非見せたい映画です。
Good ^^: