恋の罪 [DVD]
主演は水野美紀だが、この映画は監督の妻である、神楽坂恵が完全に主役の水野美紀を食った作品である・・・しかし、彼女の体を張った芝居には敬意を表したいよ!!ヌードのオンパレードだ!!おススメは全裸姿で鏡の前でウインナーの商品をすすめているところだろうか・・・。この作品は後半になると、怖いシーンがたくさんでてくる。富樫真氏や彼女の母親役の女優さんの怪演ぶりがとても怖かった・・・(笑)ちなみに私は水野美紀のヌード目当てでの購入だったが、彼女のヌードシーンは冒頭のみと少ない・・・驚いたのがアンジャッシュの児島一哉だ・・・水野美紀を電話越しで誘惑したり車内でのキッスシーンなど俳優として出世を成し遂げたのも見られる作品である。
名前のない女たち最終章~セックスと自殺のあいだで (宝島SUGOI文庫)
タイトルが秀逸。「名前のない女たち」=企画AV(アダルトビデオ)に出演する女性がテーマとなっている。
11章に分かれた構成で、1章ごとにAV女優と著者の対談が描かれている。
AV女優といっても名前はほとんどの人が知らない。
過去に数回出ただけで今は風俗店で勤務しているような女性が多い。
著者の中村さんが最後の章で筆を置いた(アダルト出版社から足を洗った)ことを書いているが、1章から読み進めていけば、取材をしている側である著者自身もだんだんと病んでいく姿が良く分かる。
良くある話がテーマになっているが(レイプ・売春・鬱・自殺など)、
体験した本人が語る様はとても耐えがたい。こんな話を直接聞いた著者が病んでしまうのも分かる気がする。
そういう話が得意な方にはお勧めできますが、嫌悪感を抱く方は1章も読み終えることはできないと思います。
らふ
◆
結論から言うと良書である。
◆
この本を読み終えた後、友人が貸してほしいというので貸したのだが、
彼が読み終えた感想は、「AV女優ってやっぱり変態なんだね。小さい頃から机の角でオナニーしてたとかさ。」であった。
しかし、家に帰ってから一人で考えてみて、やっぱりそれは違うだろうと思うのだ。
「AV女優が変態である」という命題が違うと言いたいわけではない。
その命題の裏側には、さも当然のように涼しい顔で鎮座ましましている間違った大前提が潜んでいるのではないかということである。
それは、「AV女優は変態だよな。普通の女はあんな変態じゃない。」というものだ。
「人間は等しく変態であるから、当然、女は等しく変態である。」よって「AV女優も等しく変態である。」という論理展開ならば理解できる。
しかし、「AV女優 だ け が変態である」という結論を導き出したいのならば、それは身勝手な願望以外の何者でもない。
賭けてもいいが、「AV女優 だ け が変態」なわけではないだろう。
もし、そうならば、とっくに人類は滅んでいるはずだ。
そもそも「変態かどうか」の判断基準など、時代や文化その他諸々の条件によってかなり変わる。
アフリカのある部族では女は性器を見せることのみを恥とすると何かの本で読んだが、
今の現代日本で性器を見せることのみを恥とする女が出没したら、変態とされるだろう。
変態かどうかの判断基準など、その程度の曖昧さだ。
人それぞれの価値観とさじ加減ひとつで揺れるような「変態」という基準に従って、
「AV女優は変態である」という、くだらない命題の再確認の作業をしたいなら、この本を読むべきではない。
そのような再確認をしたいのならば、そういった方向に都合よく誘導解釈していくような本を読めばよい。
◆
では、この本から何が読み取れたか?
それは「AV女優も職業であり、職業であればこそ、プロフェッショナルとしての自覚も努力もない人間は生き残れない。」ということである。
この本に出てくるAV女優は皆すべからく、そういったプロフェッショナル精神をそなえた人達であるから、
プロフェッショナルとは何か?について、何がしかの刺激を得たい人には自信を持っておすすめしたい良書である。
繰り返しになるが、「AV女優が特異な性癖を持った変態である。」とか「AV女優になったからには何かしらドラマがあるんだろう。」とか
そのような身勝手な期待と妄想のもとで、この本を手に取ってみようと考えている人には、本書は応えてくれないし、おすすめしない。
◆
最後に、星を減点した理由を述べる。
この本全体に言えることだが、森下の立ち位置がいまいち定かではない、あるいはそのように見える。
インタビュアーなのか?対談者なのか?
インタビュアーと考えると、少々自己主張が過ぎるときがあり、
対談者と考えると、自己主張が足りないときがある。
この点について明確に基準を定めていれば、もっといい本になっていたのではないかと思う。
これからも、知的好奇心に刺激を与えてくれる、このような良書を
書いてくれることを祈りつつ、エールをこめて減点2とした。
◆
減点2なのに星が4では計算が合わないというかもしれないが、計算は合っている。
下世話な話で申し訳ないが、さんざん「お世話になった」のだから、星1をおまけしたってバチは当たらない。
すべては「裸になる」から始まって
現役AV女優による初の長編書き下ろし。ポルノ小説でもなければ、赤裸々な実生活を綴った衝撃本の類でもない。敢えて言えば、自伝風なのだが、ゴーストライター氏による手際のよい内幕暴露モノでもない。
ジャンルを特定するのは難しい。
「森下くるみ」は、今もWeb上でブログを公開している。「絵日記」という名称で2002年6月から2005年12月まで、その後「くるみの間」といる名称で現在に現在に至る。閲覧できるだけでざっと5年近く。数日毎に、わずか数行から、十数行程度の短い日記風の書き物を継続している。その内容は多岐にわたり、文体も、単なる叫び声から、メモ、時には旅行記、音楽紹介、映画紹介、散文詩と多彩、且つ不可解。
独り善がりな独白かと思いきや、ある間合いを取って、明らかに読者を意識して書かれているのだ。「森下くるみ」というブランドを、裏で誰かか操作しているという感覚に捕らわれさえする。我知らず、奇妙なゲームに引き込まれているような感覚にとらわれるのだ。選ばれた言葉、行間、書体、間合いから、「森下くるみ」とは何者か、今何を考え、何を言わんとしているのかを推理する。これは、メーカーの販売戦略なのか。そんな、一種独特の感覚を持ったブログが5年分。一筋縄ではいかない。
この本はそういうおたくな人の為のガイド、いわば攻略本である。一応自伝であるがほんの粗筋でしかない。AVファンには向かないだろう。「くるみファン」であれば納得のいく一冊だと思う。