フルート教則本 吉田雅夫 著 (全音吹奏楽器教本 (1))
~以前吹いていたフルートを押入からひっぱりだして、駆け足でブラッシュアップするのに向いている教則本かも。さらにレベルアップを目指したい人は、次の教則本に進むようにと吉田氏も著書の中で紹介してます。これを終えたら氏が紹介する教則本たちにどんどん進みましょう。タファネル・ゴーベールとかソノリテとか・・・
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できれば、先生につくことをおすすめします。~
武満徹:弦楽のためのレクイエム
1曲目から10曲目までは、1961年1月と4月に文京公会堂での収録された演奏です。今から半世紀前の録音で、その時岩城宏之は28歳でした。当時のキングレコードのディレクターの長田暁二氏のライナーノーツによれば、NHK交響楽団が正式名で初めてレコーディングしたという記念碑的な録音がこれでした。
N響の指揮者として共に歩んだ盟友の作曲家・外山雄三の「管弦楽のためのラプソディー」「子守唄」のアンサンブルの美しさを感じました。武満徹の「弦楽のためのレクイエム」も同様で、初演魔と言われた岩城宏之の新しい感覚がこの曲の繊細で瑞々しい音楽を伝えきっているように思います。
ただ個々の奏者の力量が現代と比較すると聞き劣りします。歌い上げるという感覚よりも合わせる、揃えるという意識が勝っていたようですね。小山清茂の代表作「管弦楽のための木挽唄」を聴いて特にそう感じました。もっとヴィルトオーゾで演奏して欲しかったと思いますが、それは数多の音源が溢れ、多くの音楽人を輩出した21世紀の現代の地平から受け取る感覚なのかもしれません。
渡辺浦人の交響組曲「野人」と出会ったのは収穫でした。ライナーノーツには曲の解説がありませんので、調べたら1941年の作曲で、第3楽章の荒々しい曲想は時代が求めたとはいえ、優れ物でしょう。
尾高尚忠作曲「フルート協奏曲」は吉田雅夫の独奏です。日本のフルート奏者の第1人者で、収録当時46歳の演奏です。上手いですね。尾高尚忠が最後に作曲した作品ですが、大編成版の初演をした吉田雅夫の解釈は、NHK交響楽団を完全にリードしていました。曲の理解度が違いました。
東京混声合唱団によるメシアンの「ばら色の扉(「五つのルシャン」より)」は、現代のアマチュアのアンサンブルのほうが立派な声で演奏できると思いましたが、この時代としては卓越したものでしょう。ラストのメシアンの「天国の色彩」は岩城宏之の奥さんの木村かをりがピアニストでした。メシアン演奏の第1人者がピアノを受け持っていました。
矢代秋雄:ピアノ協奏曲(1967 初演 中村紘子/NHK交響楽団)/2本のフルートとピアノのためのソナタ(1958 放送初演 吉田雅夫/高橋安治/田辺緑)/ピアノ・ソナタ(1961改訂版 初演 山岡優子)
音源としては価値があるが、このシリーズ4枚に共通して言えるのは、解説がダメ。初演者の情報など、当然のことが欠落している。大方、無能な音楽評論家に執筆を依頼したのだろうが、Wiki以下のレベルの解説である。演奏は素晴らしいからこそ残念だ。「このようなCDを後世に残す使命を感じた」などど大風呂敷を広げるのなら、行間の隙間のある解説など止めて、できる限りの詳細の解説が欲しかった。1000円の安いナクソスとは違うのだから。
てのひら怪談―ビーケーワン怪談大賞傑作選 (ポプラ文庫)
2冊目よりは実験作というかバラエティーに富んだ物凄く不思議なお話が多かったです。
怪談と形容するのも勿体ないような不思議な物語の世界が広がっていました。
ただ、中には何度も読み返さないと分からないお話もあったりシュールレアリズムの絵のような内容のさっぱり理解出来ないお話もありました。
2冊目よりも混沌とした内容の本ですが、これが3冊目となるとどうなってしまうのかが今から楽しみです。