後遺症ラジオ(1) (シリウスKC)
ホント、嬉しい。というのが最初の感想です。
基本路線は「不安の種」シリーズと一緒です。ただ、今回は収録話の7〜8割程度は新キャラ「オグシサマ」にまつわる話で構成されています。「オグシサマ」やその因果に関わってしまった人達(過去〜現在)を掘り下げてあるので、話全体に得体の知れない不気味さを感じました。(無関係の単発の話ですが、最終話もじわじわキました!!)
前作のようにバラエティに富んだものではないので、多様なキャラクターの登場や話の展開を期待されると少し厳しいかもです。しかし、作品の質自体は相変わらず高いので、今回のような話が連続するような変化があってもダレることなく話が展開していたと思いました。
今後も、期待しています。「戻って」きてくださってありがとうございました。
不安の種+全4巻 完結セット (少年チャンピオン・コミックス)
が一番怖かった。
現実に遭遇したら自分だったらノイローゼになると確信できる
怖い怖い怖い怖すぎる。夜に眠れなくなる事必死だわ・・・。興味本位でも真夏のクソ暑い夜に読んだ方が身のためだと思います。背筋ゾクっとします。
ネメシス 2012年 春号 ♯8 (KCデラックス)
前号で濃い連載が数作終了し、個性派ゲストを招いたピンナップは終了、今回も大越孝太郎さんの新作は掲載されず、と少々エコノミーな誌面となったネメシス。
雑誌表記も今迄のアルファベットからカタカナになった為、Amazonでの扱い開始発見が遅れてしまいました。
それでも 本号の新しい看板となった沙村広明氏の仁義なきヤクザの抗争にスタイリッシュで魅力的なビッチ達が絡むSMノアール「ベアゲルダー」
異色の素人男女探偵のサイコパス追跡劇を心臓バクバクに描いた岡村星氏「誘爆発作」
ゾンビに追われて立て篭もる場所はアメリカがショッピングセンターでイギリスがパブなら、日本は中野ブロードウェーだ!のすぎむらしんいち氏「ブロードウェイ・オブ・ザ・デッド」
清野とおる氏が今回は尊敬する漫F画太郎先生の素顔に迫った問題作『人間バンザイ』
そして他誌とは異なったサスペンスフルな作品で挑む名うての美少女描き、Cuvie氏、佐野タカシ氏の連載等、読み応えはまだまだ充分です。
表紙に記載された漫画家以外では下記作品が継続連載されています。
・中山昌亮氏『後遺症ラジオ』
・友美イチロウ氏「にゅーたん」
・永瀬ようすけ氏「やみのさんしまい[旅行版]」
・内々けやき氏「しょたせん」
・長沢克泰うどん氏「巨悪学園」
・柳沢きみお氏「大絶叫市民」(エッセイ)
次号予告は諦めてしまったのか、未掲載ですが7/9に発売される模様。
是非とも継続して頂きたい個性派季刊誌です。
不安の種 (2) (ACW champion)
新シリーズ2巻目です
今回も見る人を「イヤーな気分」にさせてくれます。
新シリーズになってから続編ものがでてきましたが、単なるページ数稼ぎではなくしっかり楽しませてもらうことができます。
好きな話はマイナスのネジみたいな目をしたおじさんがでてくる長編「シーン」です。
また今回も魅力的なキャラクター(ネジの目をしたおじさん、のぶろうくん など)が登場します。作者の話の構成は勿論、キャラクターづくりの上手さはさすがと思いました。
ブラック・ジャック~青き未来~ (少年チャンピオン・コミックスエクストラ)
時は21世紀、独裁者の参謀に雇われた五十代のブラック・ジャックと、難民キャンプで働く女医クロエのダブル主人公と言った群像劇です。
話もそれなりに纏まっており、単品でもブラック・ジャックを知っている方ならif的な一つの未来の1エピソードとして楽しめると思います。
先にレビューされた方と被りますが、途中からクロエの行動、言動に違和感を持つと思います。察しの良い方なら理解できるかもしれませんが、私は最後の最後までクロエの違和感の正体に気づかず、それが晴れた時、何故かほっとしてしまいました。この作品は、彼と彼女の未来と結末の一つなんだなと自分なりに納得したのだと思います。クロエの扱いに賛否は出ると思いますが。
読み返してみると、既に初登場から答えと言っても良い伏線が……出崎版OVA最終巻(二話分)から間もないので、個人的にOVAの続編として読んでいると、余計に想いを馳せてしまいました。
ただ、この話は長すぎたのか、短すぎたのか微妙なところです。年を経たブラック・ジャックを含め各人物を掘り下げるには話が短いし、かと言って、内容的に約単行本二冊分弱も使ってここまで引っ張るような話でも無かった気がします。確かに良い話なのですが、構成のバランスが微妙な気がしました。最後は言われてみれば押せ押せだったし……どうせなら同じページ数でもう一冊、上下巻でオールドブラック・ジャックとクロエの話をもっと掘り下げるなり、二人を巻き込んだ革命の話を広げるなりして欲しかった気がします。
多少難点はある物の、いたって良作ですし、絵もカッコ良く見せ方も上手いです。それとなく手塚先生のキャラクターを意識してい人物も多いです。
最後のクロエが手塚絵になったときは、一つの未来のブラック・ジャックを読んだと言う気持ちになれたので、☆4でお願いします。出来れば、ブラック・ジャックとクロエの別れを描いた続編も読みたいですね。