決して、好きな作品ではない。内容も、近親相姦、幼児殺害などあまり好ましくないテーマであるし、だが、とろりとした退廃感あふれる筆致でいて、さくりさくりと読めていくちょうどよい長さに、ついつい最後まで読ませられてしまう。どちらかというと、男性向きの作品と感じるが、毒の部分を許容できるのであれば、女性でもよいかもしれない。
たぶん、おすすめ度
★★★★★
短編集の中でも指折りの面白さを誇ると思う。
当時としては異例の近親相姦、幼児趣味などのモチーフをふんだんに盛り込まれたこの短編集。
人間の残酷さと悲しみがぎゅっと凝縮されている。本当にデビュー作かよ、これ?
独特の気だるげな性描写からあまりに巧みな心理描写。
押入れ男は語る、などはかなり衝撃的な短編。どの短編をとってもはずれがない。個人的に、歴代英国作家ナンバーワンだと思う。
最初の短編集はその小説家を語るおすすめ度
★★★★★
とはよく言うけれど、彼のこの小説もまさにそのとおり。
社会に対する苛立ち、大人になることの恐れと憧れ。
無垢なものと汚れたもの、そしてどちらでもない自分。
彼が社会に対してのメッセージをもつ小説を後に書くことを思うと、マキューアンを知るには絶好のテキストになると思う。
そして、何よりこの短編集は面白い。
内容もすべて違うテーマ、違う切り口。(異常と言われてしまうような)心理描写のうまいこと。彼のセンセーショナルなデビュー作も、それからしばらくして、現在を生きる私たちにはある意味おなじみの風景を切り取ったものであるってことも含めて。
すばらしい!良作!
おすすめ度 ★★★★★
とても面白いじゃないですか
。このアレンジが秀逸の一品から感じたことは、素晴らしい才能の奥深さ、ということです。
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。