この作品はテレビドラマの歴史を変えたかもしれないおすすめ度
★★★★★
何から何まで意図が見え見えで、1ミリたりとも心を動かされなくなったテレビドラマの世界を根本的に変えたかもしれない画期的なシリーズが「ロス:タイム:ライフ」だ。多くの伝説的なドラマがオンエア中よりもむしろその後でジワジワとウォッチャーの心を侵食していくように、本作品もこれからの歴史(あくまでテレビドラマの将来があれば、の話だが)がその偉業を証明していくだろう。
このテレビ版のパイロット版ともいうべきショートをかつて筧昌也監督(ドラマシリーズの原案、ディレクター)は2作品製作しており、それらは彼自身のサッカー好きという嗜好性を超えて、愛国心を失ったといわれて久しい日本人がなぜかスポーツの祭典の時だけ必ずコブシを振り上げ、かつ声を張り上げて応援してしまうあの空気感、そしてそれを会場ではなくテレビ画面というフィルターを通して享受するときに目撃する“実況=特殊な演出スタイル”からドラマ性を抽出したところにこそ、ひとつの映像革命が秘められていた。ドラマ版でもその勢いはとどまるところを知らない。
果たして「人間ドラマ」を「サッカーの試合」と比したときに、そこにアドバンテージは得られるのだろうか。フィクションがその力を思い切り失っている時代に、筧昌也は今一度フィクションの力に賭けてみようとしている。それもわかりやすいほどの単純明快なドラマを、あえて違った次元の光源でもって照射することによって。
お勧めは「カメラマン編」「幼なじみ編」「部長編」「ひきこもり編」。担当演出家によってアプローチの違いはあるが、この2本のクオリティは出色だった。これまでのテレビドラマの感触を越える繊細さと、ロスタイムに降り立つべき神様による、アッと言うような魔法に満ちていた。
民放TVドラマ界に風穴を開けた!おすすめ度
★★★★★
もはや日本の民放の「ドラマ」という枠で、チャレンジングなことを
やるのは無理だと思われていた時期に、突如風穴をブチ開けた本作。
「死」をテーマにしながらも、サッカーの「ロスタイム」を隠し味に、
どこかしらカラッとしたユーモアがあふれているのは、自主制作時代から
このテーマを暖め続けていた筧監督のアイディアのなせる業だ。
1話完結だから、どこから見ても大丈夫。個人的には
なんとも言えぬ素敵な余韻を残す、第1話を推したい。
超高視聴率の『SP』の後番組ゆえ、不幸にも目立たなかったが、
こういう「アイディア先行」の作品がマトモに成立しないようになると、
日本のTVドラマ界はもっと酷いことになってしまう。
本来、長く語り継がれるべき「異色作」いや「名作」である。
細部まで妥協なし
おすすめ度 ★★★★★
まさに夢のコラボです
。このアレンジが秀逸の一品から感じたことは、素晴らしい才能の奥深さ、ということです。
ご参考になれば幸いです。大変お勧めですよ!!